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にしても大谷がMVPを獲るのは大変 ~ DH専任者にMVPは高い壁 ~ [ヨモヤ]

大谷のバットが止まらない。
開幕当初こそ、いろいろあったこともあってかホームランが出ず、とやかく言われたが、
ここのところですっかり覚醒。
5月7日の試合終了時で、
打率は.370でリーグトップ、
ホームランも11本でトップ、
打点は27で3位、
長打率は.705でトップ、
OPSも1.139でトップと、
素晴らしい数字を残している。

ここまでの数字は去年の打撃成績を上回るものであり、
このままいけばMVP間違いなし、
かというとそうでもない。
なにしろ、DH専任の選手のMVP獲得は大きな大きな壁なのである。

データを聞かされて驚くが、
1973年にDH制度が導入されて以降、DH専任でMVPに輝いた選手は一人もいない。
DH専任ということは、打撃面でチームの中心であるはずで、
メジャーで重視される長打率やOPSの数字も高い選手が多いと思われる。
にも関わらず、
MVPになった選手が少ない、のではなく、一人もいないとは。

なぜDHの選手がMVPになれないかというと、
当然のことながら守備面でのプラスがないからである。
これまで大谷は2度のMVPを獲得しているが、
それは二刀流ゆえのことであったとも言える。

とは言え、DHがMVPを獲得することが絶対に不可能というわけではない。
ずば抜けた数字を残しさえすれば、選ばれなくもないはずだ。
では、一体どのくらい打てばいいのだろう。

参考に、これまでもっともMVPに迫ったDH専任の選手は、
ビッグ・パピこと、もとレッド・ソックスのオルティーズ。
オルティーズはその全盛期である
2005年にホームラン47本、148打点の打点王、
2006年はホームラン54本、137打点の2冠王に輝いている。
去年の大谷の成績をも上回る強力な成績だが、
この成績でもMVPには届いていない。
まあ、盗塁は1つしかしていなかったが。

となると大谷がMVPを獲るためには、少なくともオルティーズ並みの数字を残す必要がある。
ホームランは50本以上、
打点は140以上。
打率は、.330は欲しいだろうか。

もし大谷がMVPを獲れば、
DHで初の快挙であることに加え、
リーグをまたいでの連続受賞となる。
そんな普通ならあり得そうもないことも、
すんなりやってしまいかねないのが大谷である。

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井上 対 ネリ 「期待を超える」というあり得ないことを起こした大一番 [ヨモヤ]

スポーツにおいて
「大一番」
という試合は往々にして見る側からすると期待外れに終わる。
その原因は、
大切な試合だからと双方が手堅く戦ったり、
勝ちにこだわるあまりダイナミックさが失われたり、
実力が拮抗しているがゆえに試合としての起伏がなかったり、
など、様々だろう。
もちろん、期待が大き過ぎた、という面もあると思う。

井上対ネリ、
という顔合わせに期待は高まった。
もろもろの因縁のあるネリに対して、
井上がはっきりした勝ち方をしてくれることが大方の期待だったと思う。
一方的なKO勝ちであったとしても期待に応えたとは言えるだろう。

では、期待を超える試合となるにはどうなればいいか。
ネリが本来の強さを見せて井上を苦戦させる必要がある。
しかし、井上が押され過ぎて、印象として「ネリ強し」となってしまっては意味がない。

実際の試合は、
1R目に井上がプロ入りを初のダウンを食らい、
2R目には井上がダウンを奪い返し、
3R目からは井上が力の差を見せ始め、
4Rには井上がエンタテインメント的な動きを混ぜ始め、
5Rには井上が2回目のダウンを奪い、
6Rにロープ越しに吹っ飛ぶというわかりやすい結末を迎えた。

ネリが本来の強さを見せ、
井上がそれを上回る強さを見せて圧倒しつつ、
プロとしての見せる要素も交えつつ、
最後は豪快にKO。
期待以上、と言える試合内容だった。

試合後の井上は、
「東京ドームで34年ぶりのボクシングの試合で自分自身すごくプレッシャーがあった」
と話し、
ダウンを喫した後に笑みをみせたシーンには
「やっぱりボクサーということで、そういうシーンというのは自分自身燃え上がるところがあるので、非常にハイテンションで試合をしていた」
とした。
つまり、井上にとっても平常心ではいられない試合だったということになる。
それが隙にもなり、
リング上での派手な振る舞いにもなり、
豪快なKOにもつながったのだろう。
試合は危ない面もあったが、トータルでは結果オーライだった。

今後、井上に、今回以上の大きな舞台が用意されるかどうかはわからない。
井上がいくら強くても、相手に魅力がなければ大きな箱は埋まらない可能性があるからだ。
しかし、この先がどうであれ、34年ぶりのドーム開催は大成功だったと言っていいだろう。

伝説の夜になった。
立ち会われた皆さん、おめでとうございました。

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