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井上 対 ネリ 「期待を超える」というあり得ないことを起こした大一番 [ヨモヤ]

スポーツにおいて
「大一番」
という試合は往々にして見る側からすると期待外れに終わる。
その原因は、
大切な試合だからと双方が手堅く戦ったり、
勝ちにこだわるあまりダイナミックさが失われたり、
実力が拮抗しているがゆえに試合としての起伏がなかったり、
など、様々だろう。
もちろん、期待が大き過ぎた、という面もあると思う。

井上対ネリ、
という顔合わせに期待は高まった。
もろもろの因縁のあるネリに対して、
井上がはっきりした勝ち方をしてくれることが大方の期待だったと思う。
一方的なKO勝ちであったとしても期待に応えたとは言えるだろう。

では、期待を超える試合となるにはどうなればいいか。
ネリが本来の強さを見せて井上を苦戦させる必要がある。
しかし、井上が押され過ぎて、印象として「ネリ強し」となってしまっては意味がない。

実際の試合は、
1R目に井上がプロ入りを初のダウンを食らい、
2R目には井上がダウンを奪い返し、
3R目からは井上が力の差を見せ始め、
4Rには井上がエンタテインメント的な動きを混ぜ始め、
5Rには井上が2回目のダウンを奪い、
6Rにロープ越しに吹っ飛ぶというわかりやすい結末を迎えた。

ネリが本来の強さを見せ、
井上がそれを上回る強さを見せて圧倒しつつ、
プロとしての見せる要素も交えつつ、
最後は豪快にKO。
期待以上、と言える試合内容だった。

試合後の井上は、
「東京ドームで34年ぶりのボクシングの試合で自分自身すごくプレッシャーがあった」
と話し、
ダウンを喫した後に笑みをみせたシーンには
「やっぱりボクサーということで、そういうシーンというのは自分自身燃え上がるところがあるので、非常にハイテンションで試合をしていた」
とした。
つまり、井上にとっても平常心ではいられない試合だったということになる。
それが隙にもなり、
リング上での派手な振る舞いにもなり、
豪快なKOにもつながったのだろう。
試合は危ない面もあったが、トータルでは結果オーライだった。

今後、井上に、今回以上の大きな舞台が用意されるかどうかはわからない。
井上がいくら強くても、相手に魅力がなければ大きな箱は埋まらない可能性があるからだ。
しかし、この先がどうであれ、34年ぶりのドーム開催は大成功だったと言っていいだろう。

伝説の夜になった。
立ち会われた皆さん、おめでとうございました。

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