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大臣にはその道のNo.1の人になってほしいと望むのは荒唐無稽ですか? [ヨモヤ]

9月23日付の日本経済新聞マーケット総合面のコラム「大機小機」に、
「安倍晋三回顧録」の以下の言葉が紹介されている。
『政策通で答弁が安定している、資金面も極めてクリーンだという人だけで人事を回していたら、限られたメンバーばかりを登用することになる。それでは党内が持ちません』

この言葉を受けてコラムの筆者は、
「つまり答弁が不確かで、資金面で怪しいことがある人でも、当選回数を重ねれば閣僚になるチャンスを提供しなければならないらしいのだ」
と書いている。

岸田政権が内閣改造を行ったが、支持率上昇にはつながっていない。
こうなることは岸田総理も織り込み済みだっただろう。
支持率が上がるような人を入れていないのだから。

大臣は、その分野で一番偉い人である。
日本で一番偉い人である。
一番偉い人には、その分野に秀でた人であってほしい。
それを望むのが無理筋とは思わない。
荒唐無稽であるはずがない。

他国を見ると、
台湾のオードリー・タンさんは、2016年、台湾の蔡英文政権において35歳で入閣された。
コロナ禍で大活躍されて一躍注目されたが、
そもそもITに秀でた人を登用していたことが活かされた格好である。
アメリカのイエレン財務長官は、
学者からFRBの議長になり、その後政権入りした。
こんな例はいくらでもあるだろう。

岸田政権がどうではなく、歴代の日本の内閣を見ると、
「いやはや、余裕あるなあ」
と思えてしまう。
この国の置かれた状況を危機的と認識しているのなら、
派閥も当選回数も考えていられないはずだ。
とにかく、その道のスペシャリストを選ぶだろう。
そうなっていないということは、余裕がいくらでもあるということなのだろう。
めでたいことである。
そうこうしているうちに、国際的な地位はズルズル下がっているのだけれど。

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コンビニ内書店や無人書店 新しいタイプの本屋さんに高望みすること [ヨモヤ]

東京メトロ溜池山王駅の構内に店員のいない本屋ができたそうだ。
LINEを使って会員登録し、
発行された会員証で店に入り、
支払いはキャッシュレスのみだという。
このため、店員が常時いる必要がない。
駅ナカというとどうしても地代が高くなってしまうが、
人件費を浮かすことで出店を実現させた形である。

本屋が減っているのは全国的な傾向だが、
それは都内も例外ではないらしい。
運営する日本出版販売によれば、
都内の駅周辺の書店は2016年から5年の間に約120店が閉店しているらしい。

無人書店のほか、コンビニ内書店も増えてきている。
仕掛けているのはLAWSONで
「LAWSONマチの本屋さん」と呼んでいる。

どんな形であれ書店ができるのは本好きとしては嬉しいが、
実際に訪れてみると、がっかりすることもある。
コンビニ内書店は面積も大きく取れないし、その性質上やむを得ないとも思うが、
売れ筋の本や雑誌しか置いていなかったりするのだ。
古典と呼ばれるような本や、
センスが光るような本や、
新しい価値観を提示するような本は見られない。
あれでは、本との思わぬ出会いがあるようには思えない。
それでも本屋さんがないよりはずっといいが、
少なくとも私は、また行きたいとは感じられなかった。

もちろん本屋さんがないよりはいいのだが、
熱のない本屋さんが作られるだけでは、
素敵な何かが起きることはないように思う。
コンビニ内書店や無人書店に熱。
高望みとわかっているけれど。

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映画評 「ほつれる」 ~惹かれるものがない~ [映画評]

門脇麦さん、染谷将太さんという名前につられて観に行った。
監督が加藤拓也さんということは後で知った。
加藤監督にとっては、今作が劇場長編2作目。
1作目の「わたし達はおとな」も観たのだが、
そちらについては、途中から「とにかく早く終わってください」と念じながら観ていたことを思い出す。
私には全く苦手な作品だった。
2作目はどうだろう。

演劇界で注目を集めている監督さんということで、
本作も演劇的。
それはあまりいい意味ではなく。
映画にするような話なのかしら、と感じてしまう。
個人的には、「何にも起こらない話」というのは嫌いではないのだが、
登場人物に惹かれるものがないと、ただ淡々としているだけになってしまう。

門脇さんの夫役の田村健太郎さんが怪演。
ひたすらいやな男の役なのだが、癖になる演技。
ずっと観ていたい感じ。
古舘寛治も、癖のある役を「らしさ」全開で演じられた。
こちらもずっと観ていたい。
映画自体は正直退屈なものだったのだが、
このお二人が出ているシーンは楽しかった。

逆に、染谷将太さんと黒木華さんは、なんとももったいない使われ方。
このお二人にこの役。
なにも、このお二人じゃなくても。
いや、むしろこのお二人じゃない方が。

「ほつれる」には、雰囲気はなくはないが、
惹かれるものがなかった。
惹かれるものがない映画を観るのはしんどい。

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映画のキャッチコピーにプライドを求めたら反則? ~「涙する」をスルッと使う感覚に「?」~ [映画評]

その映画を観るか観ないか、
皆さんは何で決めておられるだろう。
監督さんだろうか、出演者だろうか、クチコミだろうか。
コナンのような人気シリーズなら、はじめから観ると決めておられる方もいるだろうし、
ヒットした漫画や小説が原作の場合、そちらのファンの方が足を運ぶことも多いだろう。

予告編、という方もおられると思う。
予告編は面白かったのに本編は全然面白くなかった、
という作品は山ほどあるが、
予告編は全然面白くなかったのに本編は面白かった、
という作品は少ない気がする。
それはそれとして、予告編は大切。

では、キャッチコピーに惹かれて、という人はどのくらいおられるだろう。
あまりおられないのだろうか。

映画のキャッチコピーといえば、やたら古い映画になるが、
「サスペリア」というホラー映画の
“決してひとりでは見ないでください”
が思い出される。
流行語のようになったこのコピーに引き寄せられて映画館に行った人もいるだろう。

個人的に、あまりにも酷いコピーとしていまだに覚えているのが、
2016年に公開された「64 ロクヨン 後編」。
キャッチコピーは、
“映画史に残る傑作の誕生”。
そこまで言うくらいなのだからと期待してしまったら、あんまりな作品だった。
こんな極端な自画自賛の、
ほとんど詐欺のようなキャッチコピーは二度とあってはならないと思う。

さて、ありがちなキャッチコピーの代表は
「ほにゃららに涙する」
というもの。
あまりにも使い古されているし、あまりにも安易なので、
今さら使われることもなかろうと思うと、さにあらず。
これから公開される映画にも何食わぬ顔で使われている。

10月公開予定の二宮和也さん主演の
「アナログ」では、
“愛する人を想い続ける心に、涙する。”

12月公開予定の福原遥さん主演の
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」では、
“時を超えた愛に、あなたもきっと涙する。”

キャッチコピーを考える人も大変だろうとは思う。
すでに、言葉という言葉が使われ尽くされた、と感じることもあるだろう。
しかし、そのなかで言葉を紡ぐのが使命であろう。
新しい脈絡で使われるのならまだしも、
ごくありがちなフレーズの締めで「涙する」はいくらなんでも。
映画会社も、監督も、これでいいのだろうか。
これでいいと思っているとすると、
映画の出来も非常に心配になる。

キャッチコピーも映画の一部。
魂込めた一行をお願いします。

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映画評 「アリスとテレスのまぼろし工場」 ~オリジナル作品の強さ~ [映画評]

岡田麿里さん脚本・監督によるオリジナル劇場アニメ。
原作があるものやテレビ版の映画化も、
もちろん悪くはないけれど、
オリジナル作品には独特の熱がある。
当たりハズレも大きいけれど、
リスクをとってオリジナル作品がたくさん作られる環境であってほしい。

本作は、
「え、何これ、一体どういう世界線?!」
と、何度も何度も突っ込みたくなる奇想天外な作品。
タイムループものは散々作られてきたが、
これは時間が止まる系。
しかし、人々の暮らしは続いていて、
一人だけとんでもない存在がいて。

本作を文字で説明するのはちょっと難しい。
かなり尖がったというか、振り切った設定であることは確か。
多分、多くの人がはじかれる。
口をあんぐり開ける。

意味不明、行方知れずの展開が続き、
最後もなんだかモヤモヤと言えばモヤモヤ。
しかし、作り手が作りたいものを作った感があり、
それを観るのは不快ではなかった。
成功しているとはちょっと言えないが、
成功も失敗も無いような映画がどんどん作られているなか、
この突き抜け方は気持ちがいい。

よくこんな話思いついた。
よくこんな企画通した。
よくこんな映画にGOが出た。

それを思うと、ちょっと嬉しい気持ちになる。
この映画に関わった皆さんと握手したくなる。

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ちょっと驚きの全米自動車労働組合(UAW)の要求内容 [ヨモヤ]

全米自動車労働組合(UAW)が、米自動車大手3社の工場などでストライキを行っている。
自動車大手3社とは、GM、フォード、ステランティス。
ステランティスには聞き馴染みがない方が多いと思うが、
フランスのPSAとイタリアとアメリカのフィアット・クライスラー・オートモービルズが合併して生まれた会社である。
なんでも、3社の組合員が同時にストをするのは初めてなのだそうだ。

UAWの要求は、
・新たに雇用された労働者の賃金を低く設定する、従業員を二分する給与体系の廃止
・賃金をインフレ率と連動させる生計費調整の導入、
・4年間で36%の昇給
・週32時間労働
・電気自動車(EV)への移行に伴う雇用の確保
など。

もちろん、いろいろな経緯があっての要求なのだろうが、
どれもハードルが高そうに見える。
昇給で言えば、
要求が実現すれば賃金と手当を含む1時間当たりの人件費が150ドル強に達するのだという。
(現在は64ドル)
これはいわゆる時給とは違い、福利厚生費やら何やらが含まれているものだとは思うが、
それはそれとして単純計算すると、、
150ドルというと1ドル150円として、1時間22,500円、
1日7時間働くとして約16万円、
220日働くとして年間では約3,500万円になる。
これはさすがに企業側としても飲めないところだろう。

GMは賃上げ案として20%を提示したそうだ。
会社側はこの提案を
「従業員に報い、将来に備え、会社の成功から全員が利益を得られるよう利益分配プログラムを継続する歴史的な提案」
とし、
派遣労働者の賃金は時給20ドル(約2950円)に引き上げられるという。
悪くない回答にも見えるが、組合側に一蹴されてしまった。

労働組合側の危機感もわかるが、
企業側としてはテスラなど新興メーカーとも戦っていかなければならないなか、
人件費の上昇を一定以内に抑えたい気持ちが働くのも理解できる。

大統領選挙も絡み、今回のストライキは長期化の様相を呈している。
労働者が強気になる背景には、アメリカ景気の底堅さもあるのかもしれない。
アメリカの自動車産業にそこまで余裕があるようには思えないのだけれど。

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すごいピッチャーが湧いて来る オリックス進化を続ける3連覇 [ヨモヤ]

パ・リーグはオリックスが3連覇。
シーズン前の下馬評はソフトバンクが圧倒的で、
2位争いの筆頭格にオリックスという扱いだったが、
シーズンでは独走。
10ゲーム以上の差を付けて、余裕のゴールとなった。

レッドソックスに移籍した吉田の穴が心配されたが、
西武から移籍した森と全員の底上げで、それをほとんど感じさせなかった。

そして、なんといってもすごいのは投手陣。
剛腕が湧いて出て来るように次から次へと現れる。

10試合以上先発した投手を並べると、
NPB最強投手の山本由伸をはじめ、
22歳にして3年連続の二ケタ勝利を上げ、妹も芸能界入りした宮城、
バッティングがよく日本シリーズでの活躍も期待される山崎福也、
実質デビューの年に防御率が1点台という新怪物山下舜平大、
切れ味鋭い縦スラの名手でありイケメンの山岡(どんだけ「山」姓がいるのか)、
ひょうひょうとした投げぶりが魅力の田嶋、
と多士済々。
さらにここまで7試合の先発で6勝0敗とブレイク中の育成出身の東までいる。

この先発陣がいれば、ほぼ安泰だが、
オリックスの強さはさらに強力なブルペン陣。
30試合以上登板して防御率が1点台の選手が、
山﨑颯一郎、阿部、宇田川、平野、山田と5人もいる。
クローザーは平野が務めているが、
山﨑も宇田川も相手にとっては驚異だろう。
去年の日本シリーズで大活躍したワゲスパックは不調だが、それをまるで感じさせない。

山本のメジャー移籍がささやかれていて、
来年は大黒柱が不在になる可能性がある。
千賀が抜けて一気に投手陣が弱体化したソフトバンクのように、
エースの存在は単なる一人ではない。
だから山本の穴は表面的な数字以上に大きいと思われるが、
それにしても、ここまで若手投手が揃っていれば、
来年も大きく崩れるとは考えにくい。
それどころか、さらなる若手が湧いて出て来る可能性もある。

来年も勝って4連覇となれば、
名実ともにオリックスの黄金時代到来となる。
パの各チームも、指をくわえて眺めていることはないだろう。
パ・リーグファンとしては、
オリックスが強くなればなるほど、
それを倒そうとしてパの全体の力も底上げされる、
そんな循環になることを願いたい。
来年も独走になったら興醒めである。

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世界人材ランキング 順位は気にしないにしても [ヨモヤ]

スイスのビジネススクールIMDが、2023年の世界人材ランキングを発表した。
上位10カ国は以下のとおり。
1位 スイス
2位 ルクセンブルグ
3位 アイスランド
4位 ベルギー
5位 オランダ
6位 フィンランド
7位 デンマーク
8位 シンガポール
9位 オーストリア
10位 スウェーデン

スイスが1位というところでなんとなくお手盛り感があるほか、
小さな国ばかりが上位に並んでいる印象である。

日本は前年より2つ順位が下がって43位と2005年の調査開始以来最低らしい。
アメリカもベスト10に顔を出していないし、
順位はあまり気にしなくてもいいと思うけれど、
上級の管理職の国際経験に対する評価が低いのが低迷の原因、
という点はうなずける。

ヨーロッパの場合、ホイホイいろいろな国に行けそうだから、
単純に日本と比較するのはおかしいと思うが、
それにしても日本の管理職の国際経験は少なそう。
語学力も含め、そんなことを求められてこなかったのが実際のところだろう。
むしろ外国帰りを敬遠する空気さえあったかもしれない。

日本には日本のよさがあり、
外国にかぶれる必要はない。
ただ、ビジネスをする以上、国際感覚が必要なのは当たり前。
これからの時代、大きな企業だけではなく、小さな企業でも、
都市の企業だけではなく、地方の企業でも、
国際感覚は必須だろう。

どうすれば国際感覚が身に付くのか、
簡単ではないと思うが、
意識的にやっていく必要がある。
あてもなく世界をぶらぶら見て歩く若者がもっと増えてほしいとも思う。

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映画評 「ミステリと言う勿れ」 ~ 映画ファンや映画への愛や敬意がない ~ [映画評]

ドラマは未見。
「ミステリと言う勿れ」というタイトルだが、
確かにミステリと言うようなハラハラも謎もない。
なので、別にミステリとか言わないのでご心配なく。

謎解きはツッコミどころの雨あられ。
まあ、ひどい。
こんなもんでいいでしょ感が満載。
設定もめちゃくちゃ、
オチも、はぁ。
大技をかければいいというものではない。

まあ、それはそれでいいとして(ちっともよくはないが)、
主人公のキャラクターにはまれればまだいいのだが、
私は苦手だった。
菅田将暉くんは好きなのだが。

主人公がペラペラしゃべるのだが、
それがなんとも薄い。
ドラマ版では主人公の生い立ちやなんかも描かれて、
あのおしゃべりに説得力があるのだろうか。
映画単体として予備知識がないままに観ると、
ふらっと立ち寄った大学生が、すかすかの説教をしているようにしか感じられなかった。

ああやってしゃべらせるのなら、
なぜ彼があんなことをしゃべるのか、
どんな思いを持ってしゃべるのか、
そういったことを映画の中でしっかり描いて、観る側を納得させてほしい。
それって、高望みですか。

いやだって、フジテレビドラマの映画化だもん、
真面目に観る方が間違ってる。

まあ、そうかもしれないが、そう割り切りたくはない。
映画にする以上、
それなりの思いと覚悟を持っていると信じたい。
しかし本作は、
観に来る人への敬意や、
ものを作ることへのおそれなどがまるで感じられなかった。

腹が立つというか、寂しい。
監督さんは、
この映画を撮っていて、
こんな程度でいいのかしら、と思いませんでしたか?
出演されている皆さんは、
この映画がいいものになる予感を覚えましたか?

なんというか、
寂しい。
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「消費税はインフレ時に上げるべき」と言っていた皆さん、インフレになりましたが? [経済を眺める楽しみ]

経済評論家、なる方々がおられる。
自称なのか本当にそうなのかわからないが、
世の中にたくさんおられる。

経済学部出身でなかったり、
専門的に学問をされた形跡が無かったり、
特に業績といったものが見当たらなかったりするが、
それはそれとして、
世の中に経済評論家なる方々がたくさんおられる。

そうした経済評論家のうちの少なくない割合の方々が、
デフレ期の消費税増税について反対しておられた。
日本はデフレ期に率を上げたからよくなかったのだ、
とおっしゃっていた。
消費税の引き上げはインフレ期に行うのがセオリーだ、と言うのである。

さて、そうした方々が待望しておられたインフレが到来した。
しかし、何故だろう。
こうした経済評論家の方々から
「今こそ消費税を上げよ」
という声が聞こえてこない。

言ったら損だと思っておられるのか。
すっかり忘れておられるのか。
若しくは、もうそろそろおっしゃられるのだろうか。

消費税はインフレ期に、とおっしゃっていた経済評論家の方、
あの、インフレになりましたが。
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