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映画評 「バカ塗りの娘」 [映画評]

青森の伝統工芸・津軽塗の職人親子の姿を描いた映画。
タイトルの「バカ塗り」は、
「バカに塗って、バカに手間暇かけて、バカに丈夫」
と言われるほど塗っては研ぐ工程を繰り返す津軽塗を指す言葉らしい。
弘前のご当地映画的な要素もあり、
祭りや綺麗な風景も映される。

丁寧に作られた映画だとは思う。
しかし、心に届くかというと、そこまではいかない。
惜しい映画、
なのだろうか。
いや、惜しくもないだろうか。
好感を持ちたい作品なのだが、どうにも中途半端。

父と息子に葛藤があるようだが、何があったかは全く描かれない。
いや、それ描いてくれないと。
LGBTの要素が盛り込まれるのだが、この作品に必要とは思えない。
というか、無い方がいい。
娘の覚醒にも説得力がない。
最後の展開も唐突。

主演は、堀田真由さん。
このところいろいろなところでお見かけする。
私にとっては、いつまでも「殺さない彼と死なない彼女」のキャピ子ちゃん。
売れているのは嬉しい。
寡黙な職人役に小林薫さん。
さすがではあるが、型通りでもあった。

ご当地映画の一つ、
として観れば、それなりなのだろうか。
なんだかもったいないけれど。

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