SSブログ

映画評 「春に散る」 [映画評]

老トレーナーが若い才能に出会い、チャンピオンを目指す。
行く手を阻むのは、恵まれた境遇にいる天才ボクサー。
深刻な故障にも見舞われて・・・。

ボクシング映画が好きで、
公開されれば基本観に行くが、
本作の設定はボクシング映画ファンでなくても既視感満載。
ひょっとしたらパロディかと思えるほど。
パロディでないのだとしたら、これまでの類似作品を大きく超えてもらいたいが、
そこまでの作品にはならず。

ボクシング映画といえば、誰しもが「ロッキー」を思い浮かべると思うけれど、
この何十年も前の作品に、
トレーニングシーンも試合のシーンも、
圧倒的に負けているのが悲しい。
邦画と洋画の違い、というより、本気度の違いだと思う。
予算の問題では全然ない。

老トレーナーに佐藤浩市さん。
佐藤さんがどうこうではなく、
この元ボクサー、何しに日本に帰って来たんだろうという「?」マークが浮かびっぱなしだった。

横浜流星さんの頑張りが映画に説得力を与えていた。
役柄はちょっと陳腐だったが。

脇を固める山口智子さんの役も、橋本環奈さんの役も、窪田正孝さんの役も、
揃いも揃って掘り下げ不足。
もったいない。

監督は瀬々敬久さん。
ベテラン監督で、しっかりした絵を見せてくださったが、
2020年の「糸」には遠く及ばず。

「春に散る」は、どうしてこうなっちゃうの的な映画。
普通にやれば燃える映画になりそうなものなのに。

nice!(3)  コメント(0)