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3大映画祭コンプリート 濱口竜介監督の新作は来年公開 [映画評]

第80回ヴェネチア国際映画祭の授賞式が行われ、
濱口竜介監督の最新作『悪は存在しない』が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した。

これで濱口監督は、
第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ(『偶然と想像』にて)、
第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞(『ドライブ・マイ・カー』にて)、
と併せて、3大映画祭をコンプリートしたことになる。
これは、日本人では黒澤明監督以来の快挙だという。

濱口監督は、『ドライブ・マイ・カー』で米アカデミー賞国際長編映画賞も受賞しているので、
まさに世界の映画祭を席巻している感じである。

「この映画はアートハウス系の映画でかつ非常に小規模のチームで作られました。小規模で自由に作った映画がこのように評価を受けるということは、映画制作の見方そのものを変えるきっかけになるのではないかとは思います」
という濱口監督のコメントが紹介されている。
出演している俳優陣には、
大美賀均さん、西川玲さん、小坂竜士さん、渋谷采郁さん、
といった名前が挙がっているが、失礼ながらお一人も存じ上げない。
こうした「チーム」が世界の舞台に上がり、
しっかり評価された。
確かに意義深いことだと思う。

濱口監督作品はわかりやすいところも魅力である。
映画祭で評価される作品は、
ともするとわかりにくく、「わかる人にだけわかる」ということがありがちである。
しかし濱口監督作品は、ちゃんとエンタメしてくれる。

アートハウス系で小規模というと、難しめな作品になりそうな心配もあるが、
濱口監督ならきっと楽しめる作品に仕上げてくれているのではないだろうか。
公開は2024年らしい。
来年に向けての楽しみが一つできた。

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