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映画評 「アイアンクロー」 [映画評]

子どもの頃、プロレスごっこをしたときの定番の必殺技は、
足四の字固めであり、
コブラツイストであり、
アイアンクロー鉄の爪であった。
アイアンクローは、相手の顔を鷲掴みにするだけなので誰にでもできるし、
加減もしやすいし、見た目もわかりやすいので重宝した。

アイアンクローと言えば、フリッツ・フォン・エリックだが、リアルタイムで見た記憶はない。
録画の白黒映像で、馬場さんに迫っているシーンが印象的だった。
全日本プロレスのマットで見ていたのは、
フリッツ・フォン・エリックの子どもたちである
ケビン、デビッド、ケリーの三兄弟。
正直なところ、この3人にはお父さんと比べてあまり迫力はなく、
かといってうまさもなく、
まあ、若く華はあったが、それほど印象的なレスラーではなかった。

エリック家については呪われた一家と呼ばれていることは知っていて、
次々と不幸に襲われたことも聞いていた。
本作は、そうしたエリック家の栄光と悲劇を描いている。

プロレスのオールドファンにとっては、懐かしのレスラーたちが実名で登場するところが楽しい。
具体的には、
NWA王者のハリー・レイスだったり、
リック・フレアーだったり、
ブルーザー・ブロディだったり、
テリー・ゴディを含むファビュラス・フリーバーズだったり。
それぞれ役者さんが風貌を寄せて演じてくれているのも楽しい。
こうしたレスラーたちが、アメリカでも一定の知名度や尊敬を集めているのなら嬉しい。

ボクシング映画と対照的に、
プロレス映画はなぜかシリアスだったりバッドエンドだったりしがちなのだが、
本作も沈鬱。
主要人物が次々と不幸に見舞われるのだから、それは暗くもなる。
しかも、救いもあまりなく。

せめてアイアンクローの見せ場はもっと用意してほしかった。

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