SSブログ

規制で株価はなかなか上がらない ~中国当局の動きに既視感~ [経済を眺める楽しみ]

中国の株式市場がさえない。
今年に入ってから元気がない、
というレベルではなく、もう数年単位で下げている。

2年前と比較すると、
日経平均が30%ほど上がっている一方、
上海総合は逆に20%ほど下がり、
香港ハンセンに至っては40%近くも下がっている。

中国では不動産価格が大幅に下落しており、
そこへ持ってきて株価も底を抜けてしまうと経済に大きなダメージとなる。
そのため、当局がテコ入れを行っている。

ここで発表されたのは、譲渡制限株式の貸し出しの禁止。
未保有の株式を借りて売却することで利益を得る「空売り」を制限し、
株安を阻止する狙いとされている。

こうした中国当局の動きには、既視感がある。
日本でも似たようなことをやって来たからである。

「空売り」は、株の下げを予想した投資を行い、
下がれば儲かる手法である。
空売りが増えれば、株の下げを助長しているように見えるし、
下げで儲ける投資家がいるのもなんだか癪だから、
規制したくなる気持ちもわからないではない。

しかし、空売りの後には買い戻しが生まれるし、
そもそも株価は下げ切らないと反転しない。
人為的に下げを操作しようとしても限界がある。

当局も、そうしたことは了解しつつ、
急激な変動を避ける狙いや、
一方的な下げは許容しないという姿勢を見せるような意味で、
規制を行っているのだろう。
ただし、
規制をせざるを得ないということはそれだけ危機的なのだろうと見透かされ、
さらなる下げを助長しかねない面もある。

放っておくのが一番なのだが、それもできないのだろう。
これも、既視感がある。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。