法人税収がマイナス！

財務省が発表した９月末時点の税収実績によると、法人税収がマイナス1.3兆円となったとのことである。
税収がマイナス！なんじゃそりゃ、である。
入ってくるべき歳入が前年比で減るのならまだしも、マイナスになってしまう、つまり出て行く方が多くなるとはこりゃいかに。

これは、法人税が見込み納付されることによって生じる現象で、企業が納めすぎた税金を払い戻す還付金が、国に入ってくる額を上回ってしまったことによる珍事である。
しかし、笑い事ではない。
財務省によると、９月末の段階で法人税が還付超過になったのは、比較可能な資料がある1960年度以来初めてとのことであるが、そりゃそうだろう。

当然、所得税や消費税も落ち込む。税収は30兆円台になるとのことで、歳出予算として組まれる見込みの90兆円との乖離はハンパではない。
「このままでは国債の大幅増発になりかねない」などと報道されていたりするが、「なりかねない」ではなく、すでに既定路線になっているかのような気さえする。

私は、現在のような経済状況において、国債を発行することに真っ向から反対する立場ではない。
景気の下支えのために、財政出動は必要だろう。
しかし、それも意図があってのことならば、である。
現在の予算編成を見ていると、財政出動しているというより、単に出と入りのつじつまが合わず、仕方なく借金をしているようにしか映らない。
予算編成は、国家戦略の基本中の基本である。
事業仕分けも必要だろうが、大きな政策的意図があってのものだろう。
何か順番が違うように思う。

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