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映画評 「BECK」 [映画評]

「シュアリー・サムデイ」は仕方がないにしても、「踊る3」「カラフル」と連続ズッコケで、「トイ・ストーリー3」以外にはいい映画に出会えなかったなあ、と嘆いていた私。
しかし、「BECK」はそんなモヤモヤをスコーンとふっ飛ばしてくれた。
大切な大好きな映画になった。

監督は、「トリック」「二十世紀少年」など、話題作を多作することで有名な堤幸彦監督。
この、漫画が原作で、音楽がテーマという、非常に実写化するのが難しい題材を、見事に仕上げている。
これまでに「はにゃ」という作品もあった同監督であるが、この一作で、私にとって終生忘れられない監督になった。
それくらい、胸躍った。

漫画みたいな話、と、よく荒唐無稽な、筋道の立たない映画に突っ込むが、「BECK」はまさに漫画みたい。だって、漫画なんだし。
ハチャメチャにストーリーは進み、ご都合主義も満載。
ないでしょう、有り得ないでしょう、それおかしいでしょう、という展開の連続。まさに、馬鹿馬鹿しい。
しかし、それがちっともイヤにならない。
「カラフル」ではちょっとした矛盾が許せなかった私が、「BECK」ではなんでもありに。
これこそまさに、映画の力であり、監督の手腕である。
辻褄なんかちっとくらいあってなくて構わないのだ。伝えたいものに、熱いものに満ちていたら。

歌いたくなった。
聴きたくなった。
大事な人に会いたくなった。
大事な人に大事だと伝えたくなった。
胸が高鳴った。
胸がドキドキした。
この気持ち、誰かに伝えたくなった。

最後のライブは圧巻。
BECKのメンバーを演じた、水嶋ヒロさん、佐藤健さん、桐谷健太さん、中村蒼さん、向井理さん、みんな素晴らしかったけれど、特に桐谷さんのボーカルは息が苦しくなった。
カンニング竹山さん、松下由樹さんの存在感は、とても心地よかった。
ヒロインを演じた忽那汐里さん。切なくなった。
倉内沙莉さんも、素敵でした。

なんか、みんなにありがとうである。
この暑い夏にさえ感謝したくなる、そんな映画であった。
欠点だらけで、いい加減で、無理やりな展開だらけで、全然なってないのに、大好きな映画になった。

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