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映画評「脳男」 [映画評]

「脳男」を観た。
一部で、「まあまあ良い」との評判を得ているようなので、日本映画ファンの私としては食指が動いた。
原作は未読。
今のところ、今後読む予定もない。

一番の感想は、「体鍛えておくといいな」ということ。
多分、今作を演じるために、主演の生田斗真さんは、役作りも兼ねて、相当体を鍛えたのだろうと思う。
その姿は、なかなか美しく、画面に説得力を持たせていた。

しかし、一番の感想がそれになるくらいだから、映画としての魅力は希薄。
いいところもなくはなかったが、懸命に思い出さなければ、それは見つからない。

最大の難点は、二階堂ふみさんの演じられる爆弾魔。
二階堂さんは頑張って演じられていたとは思うが、いかんせん、設定が滅茶苦茶。
背景もわからないし、意図も不明。
それでいて、脳男をはるかに上回る行動力をお持ち。
脚本を書かれた方は、何がしたかったのだろう。
敵役をもう少し、というか、もっと丁寧に描いておられたら、いい作品になった可能性もあったのに。

役割上仕方がないとはいえ、警察のおまぬけぶりも、興醒め。
警察が活躍すべき映画ではないので、いろいろ翻弄されるのは仕方がないにしても、武力・火力で女の子一人に翻弄されてしまっては・・・。

感情のない殺人マシーン、というのは、非常に映画的である。
そこに精神医学が絡めば、知的刺激も得られる可能性がある。
「羊たちの沈黙」や「セブン」などは、それに近い路線で成功した例だろう。(個人的に、「羊たち・・・」はあまり好きではないが)
しかし、作り手が本質に向き合わず、映画として成立させることに集中してしまうと、陳腐なものになってしまうおそれをたぶんに含んでいる。
「脳男」は悪い面が出てしまったか。

「おしい」と思わなくもないが、傑作との距離は短くはない。
作り手もわかっておられるとは思うが。
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コメント 2

葦立 茂蔵

 最近、映画見てないなぁ。
by 葦立 茂蔵 (2013-02-24 10:02) 

淋

なかなかいい映画には出会えません。
by (2013-02-25 03:46) 

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