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映画評 「カメラを止めるな!」  超オススメ! 一年に一本あるかないかレベルの快作! [映画評]

「カメラを止めるな!」という映画を観た。
都内2か所のみで上映しているレアものだが、毎週チェックしている日本経済新聞金曜夕刊の映画評で
「ギャグまたギャグでつづった怪作。サービス精神満点。とにかくオモシロイので一見をオススメ。」
と書いてあったので、これは行かねば、と。
結果、行ってよかった。
とんでもない掘り出し物。
ノンストップの面白さに、ものを作り上げる熱や愛が絡み合い、心が動く傑作。
新しい才能に触れた喜びもあり。
ここまでの作品には、一年に一度出会えるかどうか。
少なくとも、去年は出会えなかった。

と、勝手に盛り上がっても、ご存じない人の方が圧倒的に多い作品だと思うので、ネットに落ちている作品紹介を少し。
『監督・俳優養成の専門学校「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクト第7弾となる異色ゾンビムービー。
前半と後半で大きく赴きが異なる異色の構成や緻密な脚本、30分以上に及ぶ長回しなど、さまざま挑戦に満ちた野心作』
『無名の新人監督と俳優達が創った”まだどこにもないエンターテインメント”を目撃せよ!』
『「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」でゆうばりファンタランド大賞(観客賞)を受賞。インターナショナル・プレミアとなった「ウディネ・ファーイースト映画祭(イタリア)」では上映後5分間に渡るスタンディングオベーションが巻き起こり、アジア各国の錚々たるコンペ作全55作の中でシルバー・マルベリー(観客賞2位)を受賞。』
とまあ、こんな感じである。

上田慎一郎監督については、“新世代の三谷幸喜”と言われることが多いようだ。
本作も、三谷監督の「ラヂオの時間」を若干彷彿させるものがある。

どんな映画だったのか書きたいのだが、ネタバレしてしまうと驚きが減ってしまうだろうから、書かないでおく。
ただし、決して誤解してほしくないのは、ドンデン返し一本勝負の作品ではないということだ。
現に私は、無性にもう一度観たくなっている。
絶対二回目の鑑賞は一回目以上に面白いだろうという確信もある。
単なるゾンビ映画ではないし、
単なるコメディでもない。
声を出して笑えて、
しかも胸が熱くなる。
どしどし回収される伏線に、胸がスーッとなる。
奇跡的な傑作である。

俳優陣は、オーディションで選ばれたらしいが、知らない人ばかり。
大変な撮影だったと思うが、皆さん熱演されている。
映画の前半と後半で別の顔を見せる構成になっているが、それがスパーンとはまっているということは、俳優陣の演技もはまったということだろう。

「カメラを止めるな!」は、映画に少しでも関心がある人なら絶対に観た方がいい快作。
もしこの映画が海外の作品だったら、その国に激しい嫉妬を覚えただろう。
日本発でよかった。
予算は少なくても、傑作は作れる。
優れたアイデアとそれを実現する力があれば、世界をひっくり返すことができる。
そんな大いなる希望さえ感じさせる作品である。

上映されている新宿のK's cinemaでは満席の連続のようだが、もっともっと多くの人に観てもらいたい映画である。
そして、語り合いたい映画である。
勝手に観戦ツアーとかしたくなる。

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サンフランシスコ人

『カメラを止めるな!』.....2018年12月15日にサンフランシスコの日本町の映画館で上映...

http://www.newpeopleworld.com/schedule/2018/12/15/one-cut-of-the-dead
by サンフランシスコ人 (2018-10-18 03:21) 

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