SSブログ

土地の値段が上がるのは基本的には景気に前向きなサイン [経済を眺める楽しみ]

1980年代の後半の日本経済を、「バブル」という言葉で表現するのが一般的である。
いろいろな要因でバブルはしぼみ、その反動が長く日本経済を苦しめてきた。

景気は、よくなったり悪くなったりするのが普通だから、
バブルが終わって、数年低迷し、それからまた景気が回復すれば、通常の循環になった。
しかし、バブル期に積み上げた山が高過ぎたせいで、回復には長い長い時間がかかった。

特に、土地の価格はバブル後、完全に崩壊した。
株は上がったり下がったりしてきたが、
土地は基本的に下がりっぱなしだった。

国土交通省が発表した今年1月1日時点の「地価公示」によると、地方圏の全用途と住宅地の上昇率がプラスに転じたとのことである。
これは実に27年ぶり!のことである。
東京、大阪、名古屋の3大都市圏は、少し前から上昇に転じていたが、ようやくそれが地方にも波及し始めた。
特に札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方4市の伸び率が大きいらしい。

「土地の値段が上がったって、普段の生活に全然関係ない」
と思っている人は少なくないだろう。
むしろ、
「固定資産税が上がったら困る」
「家賃が上がらないか心配」
という不安の声の方が大きいかもしれない。
しかし、経済成長につれて物価も土地も上がるのが自然であり、むしろこれまでが異常だったのである。
急激な上昇はまたひずみをもたらすが、適切な伸びは歓迎すべきであろう。

これからも、人口が減少していくなかで、日本中の土地の値段が上がることはないだろう。
三大都市圏及び地域の中心都市が引っ張る形が、より鮮明になっていくと思う。
それが自然であるし、土地の価格の上昇を無理なく吸収できるような経済状況であってほしい。
今回の地価上昇が、その第一歩であればいい。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。