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映画評 「楽園」 [映画評]

この映画を漢字二文字で表せば、
「退屈」
ということになるだろう。
退屈でも、いい映画というのはあるが、この映画は単に退屈であった。

原作は、吉田修一さん。
「パレード」「悪人」「横道世之介」「さよなら渓谷」「怒り」
などが次々に映画化され、その多くが映画としても評判を取った。
監督は、瀬々敬久さん。
未見だが、昨年公開された「菊とギロチン」が各種の映画祭で高く評価された。
この組み合わせだから面白くなる要素はたくさんあったのに、結果は最悪。

なんと言っても、すべての登場人物に魅力がない。
さらに、行動の一つ一つに説得力がまるでない。
一体どうしたの?
といった行動を、皆が皆次々に取る。
俳優の皆さんは、どうお感じになっていたのだろう。
柄本明さんや佐藤浩市さんといった大ベテランの方々が出演されているのに、
なんとかならなかったものだろうか。

映画には全く救いがないのだが、
別に救いがなくたって構わない。
救いがなくてもいい映画というのはいくらでもある。
本作は、救いがないというより、
救いようがない。

これで短ければまだいいのだが、129分とそれなりに長い。
耐え忍ぶしかない。

「楽園」は、いいところを探すのが難しい作品。
綾野剛さん、杉咲花さん、村上虹郎さんといった、若手演技派を使いながら、
なんとももったいない。
幸せなことばかりが続いて、何か嫌なことはないか、
と探している人にはいいのかもしれない。
2時間ちょっと、憂鬱な気分になれる。

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