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すべてのソーシャルレンディングがよろしくないとは限らないが [診断士的経済アプローチ]

一時期、「ソーシャルレンディング」が新しい形の金融の形として注目を集めた。
ソーシャルレンディングとは、Wikiによる定義をかいつまむと、
「ネット上で『お金を借りたい人』と『お金を貸したい人』を結びつける融資仲介サービス」
というものである。

お金を借りたい人と貸したい人は、通常金融市場で出会う。
銀行などの金融機関が最もわかりやすい形だし、
株式を発行するというパターンもある。

しかし、お金を借りたい人の中には、金融機関からの融資に苦戦することもある。
金融機関は、実績や担保を重視するため、
新しく起こした企業にはハードルが高い面があるからである。
また、株式を発行しようにもノウハウも引き受け手もないこともある。
そのため、せっかく技術力があったり、見込み客がいたりしても、資金がないために、手をこまねいているばかりとなりかねない。

一方、運用できるお金を持ちながら、ほとんど遊ばせてしまっている人もいる。
銀行に預けても、信じられないくらいの低い利息しか付かないし、
上がり下がりの激しい株式には投資したくないからである。

そこで、ソーシャルレンディングの出番となる。
借りる側は、自らの強みをアピールして出資を募る。
貸す側は、魅力的な起業を探し、有利な利回りでお金を運用する。
うまく回ればとてもいい仕組みである。

しかし、金融機関からお金を調達できない企業が、高い利率の借入金を返済できるだろうか。
実績のない企業が、見込み通りに事業を展開し、利益を上げられるだろうか。
少し考えるだけで、かなりリスクがある仕組みだとわかる。
さらにリスクと利回りが合っているかどうかにも検討の余地がある。

ここで、ソーシャルレンディング会社が、maneoマーケットから破産を申し立てられたとの記事が掲載されていた。
これは特別な事例ではなく、いくつものソーシャルレンディング会社が金融庁から指導を受けている。
投資家に損失を与えている事例も少なくない。

ソーシャルレンディングは新しい仕組みであり、まだ試行錯誤の時期と言えるだろう。
しっかりと運用している事例も、もちろんあるのだと思う。
うまく回るようになれば、新たな金融インフラになる可能性もある。
ただ、現時点では、十分にリスクを見分ける必要がある。
ソーシャルレンディング会社に信用がおけるかどうか、
投資を募っている企業が大丈夫かどうか。
低いリスクで高い利回りを得られるはずはない、
という当たり前のことを肝に命じながら。

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