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映画評 「くれなずめ」 [映画評]

本作は、松居大悟さんの脚本・監督による作品。
松居監督作品では、去年公開された「#ハンド全力」が楽しかったし、
本作には、
話題作に出まくっている成田凌さんをはじめ、
「あの頃。」「街の上で」の若葉竜也さん、
「星の子」「あの娘は貴族」の高良健吾さん、
「his」「佐々木、イン、マイマイン」の藤原季節さん、
といった面々が出演されている。
このメンバーなら面白いに決まっている。
緊急事態宣言により公開が延びたことによって、飢餓感も増した。

しかし世の中、「決まっている」ことなどない。

全体の雰囲気は期待どおりだったし、
役者さんたちのやり取りも愉快だった。
前田敦子さんの怪演も好ましく、
日本映画らしい日本映画だなあ、と感じた。

だが、大満足かというと、まったくそうではない。
熱い映画なのだが、観終わったらすっと消えてしまった。
松居さんは劇団を主宰されているということなのだが、
本作も演劇的。
それは必ずしも悪いことではないのだが、
本作の場合、いい目が出なかったように思う。
終盤になればなるほど、
演劇だったらもうちょっと楽しめたのかなあ、という雰囲気に。
設定とかは、そそられるのだが。

高校時代からの友人関係が描かれるのだが、
その密度が伝わって来ないので、感情移入ができない。
基盤ができていないので、最後の大技が空回りしてしまった感じ。。

成田さんの演技はいつもどおりの安定感だが、
今作ではちょっといつもどおり過ぎた感があった。
若葉さんは、ノリに乗っている。
藤原季節さんも、若手サラリーマン役がはまる。
前田敦子さんは、性格派俳優として末永くやっていけそうだ。

「くれなずめ」は惜しい映画。
やたらと楽しみにしてハードルを上げていたこともあって、
なんだか肩すかし。
残念。

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