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映画評 「ハケンアニメ!」 ~ 元気をもらえるお仕事映画 ~ [映画評]

ここ数年、ひどい予告編に出くわすことが少なくない。
ミスリード、というより完全に嘘ですやん、というものや、
本編と全然違う話なんですけど、というものや、
滅茶苦茶な誇大広告だ、というものなど。
その点、本作の予告編は秀逸。
内容をズバリと表しているうえに、予告編単体としても面白い。
本編を観る前に何回も観たが、本編を観終わった後も繰り返し観ている。
2022上半期予告編大賞を差し上げたい。

こちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=Y1Xjo79xzaI

予告編で気持ちを高めてしまうと、実物を観てガッカリというのが定番だが、
本作は違った。
予告編で高めた気持ちは全く冷めることがなかった。
それは当たり前のことではない。

タイトルの「ハケン」は覇権のこと。
大ヒットし、後世にも影響を与え続ける作品のことを指す。
派遣と勘違いされている方もおられるだろうか。

映画は、アニメの覇権を獲ることを目指して闘う、
吉岡里帆さん演じる新人監督と中村倫也さん演じる天才と呼ばれる監督の勝負の行方を描く。
二人は真正面からぶつかり合うのだが、仲が悪いわけではなく、
吉岡さんは中村さん演じる監督に憧れていて、
中村さんも吉岡さんを応援している。

監督二人の対決に、
柄本佑さんと尾野真千子さんが演じるプロデューサーが絡み、物語に奥行きを与えている。
そして、個性的かつ癖のあるスタッフの面々が楽しい。

覇権をめぐって視聴率競争をするのだが、
ここはあまりピンと来なかった。
ハケンは視聴率では決まらないし、
話の展開に合わせて視聴率が上下するのもなんだか。
まあ、何かで優劣を付けなければ話として盛り上がらないので仕方がないが、
ちょっと無理があるように感じた。

しかし、それはそこまで大きな傷ではない。
全体として存分に楽しめた。
私は特別アニメファンというわけではないが、
一層アニメをきちんと観ようという気になったし、
しっかりした作品は正座して観なければという気になった。
説教臭い要素はないが、
観終わった瞬間、「自分も仕事頑張ろう」という気にさせていただけた。

「ハケンアニメ!」は、元気をもらえるお仕事映画。
登場人物もみな魅力的。
素敵な2時間を過ごすことができる。

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