SSブログ

映画評 「ラストサマーウォーズ」 [映画評]

埼玉県入間市を舞台とした作品。
同市出身の宮岡太郎さんが監督を務め、入間市長も出演。
茶畑などの風景も随所に織り込まれており、「ご当地映画」として仕上がっている。
近隣にお住いの方は映画の撮影場所について、
「あそこだ、あそこだ」と盛り上がれるのではないだろうか。
クラウドファンディングで資金を集めた経緯も含め、
手作り感に満ちた映画である。

一般的な商業映画とはちょっと違った成り立ちなので、
観る側もそのあたりは少し勘定に入れておいた方がいいかもしれない。
エキストラ的に出演している子供たちの演技などは、
ちとゆるいものがある。

本作のストーリーは、
「入間市に住む小学六年生が、最後の夏休みの記念に映画を撮る」
というもの。
映画など作ったことのない子どもたちの悪戦苦闘と、それを見守る大人たちを描いている。

映画を作る映画、というのはこれまでにもいろいろ作られていて、
私はこの系統に弱い。
実に弱い。
去年評判を取った「映画大好きポンポさん」もそう。
「カメラを止めるな!」もこの流れだし、
実写版の「ビューティフルドリーマー」もそう。
そうそう「桐島、部活やめるってよ」もそう。
ほら、大好きな映画ばかりになる。

この映画を観る前、「大丈夫かな」とやや心配だった。
地域PR的な映画は、内輪受けはするものの、作品としては今一つ、
ということが少なくないからだ。
しかし、本作は娯楽作品としてちゃんと楽しめた。
それは素晴らしいことだと思う。
80分という尺も、この映画にはぴったりはまっていた。

子どもたちによる映画がすんなりできてしまっては盛り上がらないので、
途中、障壁が立ち塞がる。
障壁が必要なのはわかるが、そこがちょっと無理筋過ぎて残念だった。
もう一工夫あれば、より心に残る作品になっただろう。

子役の面々はみな好演。
元気にわかりやすく映画を盛り上げた。
もちろん、そのように観ることができるのは監督の手腕だろう。

「ラストサマーウォーズ」は、楽しく観ることができる埼玉県入間市のご当地映画。
コミカルに描きつつ、映画を作る喜び、苦しさも伝わってくる。
入間市のご当地映画を入間市の映画館で先行上映で観る。
これもまた、よき哉。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。