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それでこそ黒田総裁 [経済を眺める楽しみ]

日銀は金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和策の維持を決めた。
一方、4月会合時点で1.9%としていた2022年度の消費者物価上昇率の見通しは2.3%に引き上げた。

日銀の金融緩和策については、否定的にとらえている人も少なくない。
円安、物価高を招いているのは日銀ではないか、というのである。
会見で黒田総裁はこうした意見に対しては、
「日本と米国の金融政策の差が典型的な金利差に表れて、それが為替に影響していると市場が思っていることは事実だと思う。ただ、為替の影響の要素としてはそれぞれの成長率やインフレ、その他金融市場のさまざまな動きがある」
「金利をちょこっと上げるだけで円安が止まるとは到底考えられない。本当に金利だけで円安を止めようという話であれば、大幅な金利引き上げになって経済にすごいダメージになる」
とおっしゃられた。

そのとおりだと思う。

為替は金利差だけで動くものではないし、
もし金利差を埋めようとすれば非常に大きな利上げになるし、
そんなことをしたら経済に大きなダメージになる。
ごく当たり前のことなのだが、
違うことが言われていることもある。
こうしてはっきりおっしゃられるのはいいことだと思う。

さらに、引き続き大規模な金融緩和が必要なのかと問われた際には、
「今の時点で金利を上げたときのインパクトは恐らくモデルで計算したものよりもかなり大きなものになる。私どもとしては金利を引き上げるつもりは全くない。長期金利のプラスマイナス0.25%のレンジを変更するつもりも全くない。粘り強く金融緩和を続ける」
とおっしゃった。

ご指摘は理解できる、でも、
できれば上げたい、でもなく、
「金利を引き上げるつもりは全くない」」
である。
これほど明確なメッセージはないだろう。

もちろん、金融緩和には副作用があるし、
世界の中で取り残されている感もある。
それでも、現状で最も正しいと考えられる金融政策をやり切るのが日銀である。
そして、次元の違う緩和を続けて来たのが黒田総裁である。
ここでもう一押し、というお気持ちだろう。

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