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映画評 「さかなのこ」 ~ 愉快痛快 ~ [映画評]

本作は、さかなクンが、自身の半生をつづった著書を映画化したもの。
しかし、事実に基づいた話というより、完全なファンタジー。
これが、やたらと楽しい。

教訓を得ようとすれば、
「好きなことをやり続けるって素晴らしい」
「みんな違ってみんないいのでギョざいます」
的なまとめ方になってしまうのだろうが、
この映画をそんな道徳風に観たらつまらない。

「そんな奴ぁ、いねえよ」
とか、
「どんな展開だ」
とか突っ込みながら観るのもあり。
素直に楽しめばそれでいい。
そして十分楽しめる。

出演者が軒並みすばらしい。
主役の「ミー坊」の子ども時代を演じた西村瑞季ちゃんがいい。
タコに包まれているシーンは名場面。
ミー坊の幼なじみ役を演じる柳楽優弥さん、磯村勇斗くんがどちらも素敵。
乗っている俳優さんが、コミカルな役どころを楽しくあたたかく演じられた。
実写版「氷菓」で福部里志役を演じられて以来注目している岡山天音くんも幼なじみ役の一人。
端役かと思いきや、意外と物語の鍵を握る存在である。
宇野祥平さんは安定のいい味、
豊原功補さんも美味しい。
ドランクドラゴンの鈴木拓さんが、高校時代の先生役で出演。
なんでもさかなクンとは、中学高校時代の同級生なのだそうだ。

そして、もちろん、主演ののんさんである。
男でも女でもない役、という意味不明の設定だが、
見ていて飽きない。
のんさんあってのこの映画であるが、
この映画がのんさんのよさをグイグイ引き出してもいる。

メガホンは沖田修一監督。
本作では共同脚本も務められている。
はずれのない監督さんだが(除く「おらおら・・・」)、
本作の楽しさは特筆もの。
感動作では全然ないのに、最後は何故かこみ上げてくるものが。

「さかなのこ」は、愉快痛快の逸品。
最初から最後までずっと楽しい。
ややこしいこと考えず、その楽しさに身を任せてみてください。
よい時間が過ごせます。

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