え？定額給付金って景気対策じゃないの？

総合経済対策として実施される予定の、定額給付金をめぐる考え方が、麻生内閣のなかで迷走している。
もともとは全世帯に配布するはずだったものが、所得制限は当然とか、自己申告にするとか、いろいろな意見が閣内から出されている。
閣内不一致とか、責るつもりはない。
大いに議論をすればいい。
しかし、なんのための給付金かということさえ共通認識とされていないようでは、効果も危ういと感じざるを得ない。

与謝野経済財政担当相の考え方は、「生活支援を必要とする世帯にしかるべき給付金を出すのが常識的な考え方だ」というものらしいが、６万円ぽっきりを一度交付してそれで生活支援と考れいるのだろうか。理解に苦しむ。
もともと財政再建論者の与謝野さんの発言であるから、多くの人は割り引いて聞いている。
「どうせ効果がないのだから、少しでも出す額を少なくしたいと考えているのだろうなあ」、などと勘繰ってもしまう。

さて、定額給付金は、生活支援なのだろうか、景気対策なのだろうか。
その両方だとかいう逃げ道もあるだろうが、もともとの発想は景気対策のはずだ。
であれば、所得制限などという発想は、根本からおかしい。
むしろ、お金のある人に給付金を配って、消費を拡大してもらうのが筋だろう。

とかく、政策は情に流されやすい。
金持ちに給付金などいらないだろう、と言われればそうだそうだとも思うのだろう。
しかし常に重要なのは、なんのためにそれをするのかということである。
目的達成のためなら、多少のリスクは覚悟するべきである。そして、一枚岩で臨んで欲しい。