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本当に100年に一度の危機ならば・・・ [経済を眺める楽しみ]

グリーンスパン前FRB議長が米議会において、「100年に一度の津波」と述べたのがきっかけだろうか。
今回の金融危機については、「100年に一度の危機」「100年に一度の大転換期」などと表現されることが多い。
わが国の首相は、「100年に一度の暴風雨」と述べられた。

100年に一度、となるとえらいことである。
1908年から今日に至るまで、日本は数々の危機に見舞われた。
ITバブルの崩壊なんかかわいいもので、オイルショック、敗戦による大混乱、世界大恐慌など、歴史的なピンチがいくつかあった。
言葉尻をとらえるようで申し訳ないが、100年に一度ということは、今回の金融危機はこれらの歴史的危機を上回るものということなのだろうか。

危機意識を持ってことに当たることは必要である。しかし、適切な現状分析が前提となる。
そして、その分析に基づいた対策が求められる。
いたずらに危機であると言うだけでは、何が解決するものでもない。

政治の対応は、100年に一度の危機にしては、あまりにも悠長ではないか。
本当に100年に一度の危機ならば、これまでにはとられてこなかったような、思い切った政策が必要になるはずだ。
2兆円の給付金を誰にどう配るかという次元ではないのではないか。

本当に100年に一度の危機ならば、経済は今後ますます悪くなる。
2四半期連続でGDPはマイナスだが、その幅はたかだか1%程度である。
100年に一度の危機ならば、こんなものではすまないはずだ。
100年に一度の危機への対処にふさわしい対応を、今からしなければならない。

幸いに、それほどの落ち込みにならなかった場合、100年に一度の危機とした見立ては間違っていたことになる。
それは幸いなことだが、分析を大きく間違ったことになる。
単なるラッキーと位置付けず、分析力の向上が必要となろう。

個人的な意見としては、100年に一度の危機であるとはどうしても思えない。
せいぜい、10年に一度の景気後退であろう。
だから、大丈夫というのではなく、それにふさわしい対応をすべきということである。
来年の経済を、私は悲観的に見ている。
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