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書評「星野リゾートの教科書」 [読書記録]

星野リゾートといえば、経営不振に陥った旅館の再生で知られ、このところメディアに取り上げられることも多い。
社長の星野佳路氏も、経済番組などによく出演されている。
観光業で、このように注目されている会社は珍しいが、それにふさわしく経営手法もユニークである。
この本は、快進撃を続ける星野リゾートのタネ本とも言うべきものを公開する内容になっている。

私も、本はそれなりに読んでいる方だし、中小企業診断士試験を勉強するなかで、数々のいわゆる「教科書」といったものにも触れることがあった。
それらは、多くの人からの検証に耐え、時代の試験もくぐり抜けてきているだけに、強い説得力がある。しかし、一方で「机上のもの」という感を抱いたのも事実である。
教科書は教科書として参考にしながら、実際には独自の要素を中心に取り入れていく必要がある、と考えていた。

しかし、この本で星野佳路氏は、「教科書通りやってみよう」と主張されている。
「理論をつまみ食いしないで、100%教科書通りにやってみる」べきであるというのである。
できることからやってみよう、当社の実情に合うところだけ取り入れてみよう、と考えるのが普通だろうから、この主張には少し驚いた。
そして、ここまで言えるのは、教科書の深い理解と自らの会社への詳細な分析があってのことだろうと感じた。
教科書通りやるというのは、簡単なことではない。つまみ食いする方がずっと簡単である。
星野社長の主張には、ある種の覚悟も感じる。

つい、知識だけを頭に入れる癖がついてしまいがちであるが、肝心なのは実践である。
いい教科書に出会っても、使ってみなければ宝の持ち腐れとなる。
星野リゾートのやり方を見習ってみようか、という気になった。
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