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値段を上げろと命令されるというのも変な話 [経済を眺める楽しみ]

ここは日本。
資本主義社会であり、基本的に企業は自由な競争を行っている。
よいものをより安く提供する企業が勝者となるのがことわりである。

しかし、その原則が適用されない業界がある。
それがタクシー業界である。
この1月から施行された改正タクシー適正化・活性化特別措置法では、過当競争を防ぐということを目的に、国が定めた公定幅の運賃での営業が義務付けられている。

独占的な地位を悪用して値段を高く設定している業者を追及し、値段を下げさせようとしているものではない。
独自の工夫により値段を安く設定している業者を違反と見なし、値段を上げさせようとしているものである。

誰もが、
「はれ?」
と思うであろう。
強制して安くさせられているわけではなく、経営判断として安い運賃を提供し、顧客からも喜ばれているものを、無理に上げさせようというのだから。

「ワンコインドーム」という会社は、「値上げ強制で重大な損害が出る」として、国を相手取り、運賃の変更命令や車両の使用停止命令を出さないよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴えた会社の社長は
「利用者の利益を考えていない。憲法が保障する『営業の自由』に反する」
とおっしゃっているらしいが、そのとおりとうなずく人も多いのではないだろうか。

当然、規制する側にもそれなりの理屈がある。
ただし、その理屈には利用者側からの観点が決定的に抜け落ちている気がする。
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