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中国株の混乱はこの先も続きそう [経済を眺める楽しみ]

9日の東京株式市場は、目が回るような展開。
最初は、日経平均で622円安の19,115円まで下げ、そこから740円上昇し、トータルでは値上がりで取引を終えた。
2日連続での大幅な株価下落という事態は避けられたが、混乱は収まっていない。
ギリシャ問題とそれに伴う円高が週初めの懸念材料だったが、目先の波乱要因は、完全に中国株に移っている。
9日の日本株の上昇も、中国の上海総合指数が上昇したことによる面が大きい。

さて、その中国であるが、上海総合指数で6月12日に5,000を超えていたものが、急落に転じ、7月8日には3,500を割り込んでしまった。
1月足らずで3割下げたということになる。
日経平均で例えれば、20,000円の株価が、1月で14,000円になったということだから、その衝撃は大きい。

しかし、そもそも今年に入ってからの中国株の上昇が行き過ぎていた面は、多くの人が認めるところだろう。
中国の景気低迷が言われるなかで、2月に3,000だった指数が6月に5,000まで上昇するという状況は、誰が見ても違和感がある。
調整は必至だったと言えると思う。
ただ、その調整のスピードも半端ない。

株式市場は、まさに資本市場の中心。
だから、ここでは自由な取引が前提であり、原則のはずだが、この株価急落を受けて中国政府が規制に動いている。
日本政府だって、株価を高く維持するためにいろいろな手立てを行うから、政治の市場への介入自体はそれほど珍しいことではないが、中国の手法は資本市場の常識からすればかなり異例である。

利下げはどこの国でもやることだし、空売りの規制も緊急時にはあり得るだろう。
しかし、証券会社が相場を下支えするために大量の資金を株式投資に充てると発表したのは、他の国ではあまり考えられない。
それでも下げ止まらないと、大量保有株主の株式売却を半年間禁止するという方針を打ち出した。
これには、驚きを禁じ得ない。

売買ができないとなったら、それはもう市場ではない。
「禁止しないと売ってしまうから」ということだろうが、本来、売るも買うも自由であるはずで、それを規制してしまっては元も子もない。
市場への信頼は、完全に失われた。

もちろん、中国に常識が通用しないのはよくわかっている。
これまでも、驚くような経済対策を打ち出し、それが案外機能してきたこともあるので、今回の株価対策が効果を持つ可能性もある。
しかし、市場を完全にゆがめてしまった代償は、小さくないと思う。
また、結局当局がなんとかしてくれると思わせることは、投資家に対しても間違ったサインになるのではないかと危惧する。

日本にとっては、ユーロ圏の小国より、アジアの超大国による影響の方がはるかに大きい。
しばらく、中国市場から目が離せない。

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