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百貨店としては訪日外国人様々だが過度の依存は心配 [経済を眺める楽しみ]

日本百貨店協会の発表によれば、10月の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年同月比4・2%増と、7カ月連続のプラスになったとのことである。
GDPは2期連続マイナス成長となっており、景気の足踏みが続いているが、意外と百貨店は堅調である。
7カ月連続で前年を上回るのは、1990年4月から92年2月(23カ月連続)以来のことだという。

売上増の理由は、天候に恵まれて客が増えたことが挙げられており、化粧品や宝飾時計、秋冬物の衣料などが好調だったという。
さらに、中国の国慶節に伴う大型連休もあり、訪日観光客によるインバウンド需要が大きかったようだ。

訪日外国人の購買客数は、前年比94.1%増だったというから、ほぼ倍増である。
これに伴って、売上高も96.0%増とほぼ倍増。
しかも、急に増えたというのではなく、33か月連続で前年を上回ったというのだから息が長い。
10月の訪日外国人数のうち、中国が99.6%増、香港が66.9%増などとなっており、中華圏の伸びが非常に大きくなっている。

百貨店業界のみならず、小売り全般として、訪日外国人様々の状況である。
もちろん黙って客が増えているわけではなく、国として企業として店舗として、いろいろな努力を行ってきた末にこうした状況が生まれている。
それはよくわかるし、称賛されるべき面もあると思うのだが、あまりインバウンドに頼り過ぎるのも心配である。
縁起でもないが、日本国内で大きな災害や中国でのSARS(サーズ)、韓国でのMERS(マーズ)のようなことがあったら、途端に外国人の足は途絶える。
中国の場合、国策が突然変更になるリスクもある。
訪日外国人は、有り難いお客様だが、増減が激しいものであることはあらかじめ覚悟しておきたい。

火が点いた日本観光ブームは、しばらくは続くだろう。
ここをどう取り込むかが、大きな競争の焦点になっている。
それはそれで大切なことだが、訪日者自体がなんらかの事情で急激に落ち込むリスクにも、十分気をつけておく必要がある。
あくまでも、基本は国内のお客様である。
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