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憲法改正は参院選の争点になり得るか [ヨモヤ]

参議院選挙が近づいてきた。
とは言っても、投票日まであと1か月近くあることもあり、盛り上がりはまだこれからである。
ただ、参議院選挙は政権選択の場ではないこともあり、どうしても衆議院に比べると注目度は下がる。
国民にわかるような形できちんとした政策論争がなされていくのかどうか、やや心配である。

現段階では、争点もあまりはっきりしていない。
本来であれば、先に首相が先送りを表明した消費税は格好のテーマだが、野党も消費増税の先送りには軒並み賛成の立場であり、争点にならない。
イギリスのEU離脱問題が話題になっているが、日本ではそこまで喫緊の外交課題もない。

そんななか、憲法改正が隠れ争点であると指摘する向きがある。
「隠れ」というのは、現段階では、与党である自民党が憲法改正案を参議院選挙の目玉公約として掲げてはいないからである。
安倍首相は、かなり強固な憲法改正論者であると思うが、今回はそれを訴えての選挙ではない。
しかし野党としてはこれを争点化したい意向があるようで、改憲発議に必要な3分の2の議席を取らせないことを一つの目標にしていたりする。

何を訴えるかは各政党が、それこそ自身の存在を賭けて考えることで、それをとやかく言う筋合いはない。
3分の2を取らせない、ということは、過半数は仕方がないとあきらめているようにも見え、物事が多数決で決まることが多い国会審議においてそれでいいのかしらん、とは思えるが、これも考えに考えられた末のことであろう。

ただ、当然のことであるが、改憲勢力が衆参両院で3分の2を占めたところで、それで憲法が改正されるわけではない。
国会で発議されたのち、国民投票が実施され、そこで過半数の票を得ない限り、憲法は改正されない。
つまり、最後に決めるのは、憲法改正の是非を問う投票における国民一人一人の一票である。
議員を選ぶ票が憲法改正を決めるわけではない。
誰でも知っているはずのことであるが。

「両院で3分の2以上を取られてしまえば、改憲の流れが止められなくなってしまって、国民投票でも世論が誘導されてしまう」
などと心配性の方はおっしゃるのだが、そんなに日本国民をバカにしないでいただかなくても大丈夫である。
きちんと判断し、憲法改正が必要であると思えば、その方向で投票するし、そうではないと思えば、国会議員が何分の何であろうがなかろうが反対する。
それが甘い、と言われるかもしれないが、そこを信じないのならもともと民主主義など成立しない。

参議院選挙では、ぜひ実のある議論をお願いしたい。
議論のための議論、
ひっかけるための議論、
相手を下げるためだけの議論、
などなどは願い下げである。

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