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胸に響くイチローの言葉 [ヨモヤ]

はじめてイチローを見たのは、まだ彼が鈴木だった高校生時代。
甲子園でのピッチングをテレビで見たのだが、センスは感じたものの、プロで投げるにはいかにも線が細く、すぐに記憶から消してしまった。

次にイチローを見たのは、プロ入り1年目のジュニアオールスター。
ライトに目の覚めるようなホームランを放ってMVPを獲得したのだが、この打球は非常に印象的だった。
いつか出てくる選手だな、と感じた。

プロ入り3年目からの活躍は、多くの人が知るとおりである。
絶妙のタイミングで仰木監督と出会えた運の強さもスーパースターならでは。

メジャーでもコンスタントにヒットを打ち続け、10年連続の200本安打などの記録を打ち立てたが、私が驚いたのは、メジャー二年目に首位打者になれなかったことだった。
これでオリックス時代からの連続首位打者が8年でストップした。
イチローは、ずっと首位打者なのだろうと思っていただけに衝撃だった。
メジャーの厳しさを今さらながら思い知ったことを覚えている。

キャリアの中盤でメジャーに移籍し、そこから3000本安打を達成する選手は、日本人に限らず、今後も出てくるとは思いにくい。
とんでもない金字塔である。
達成後ベンチで流した涙と合わせて、永久に記憶にとどまる。
イチローの思い出は数々あるが、今回のインタビューで珠玉の言葉がいくつも出ているので、それを残しておきたい。
以下、記者会見の内容を引用させていただく。

「この2週間強、ずいぶん犬みたいに年取った」

「僕にとって3000という数字よりも僕が何かをすることで僕以外の人たちが喜んくれることが、今の僕にとって何より大事なことだということを再認識した瞬間でした」

「これだけ長い時間、特別な時間を僕にプレゼントしてくれたっていう風に考えれば、この使われ方もよかったなというふうに今は思います」
(3000本安打を目前にしてもほとんどが1打席しか与えられない起用法に、ストレスも相当たまったと思う)

「瞬間的に成果を出すことはそれでも出来る可能性はありますけども、それなりに長い時間、数字を残そうと思えば、当然、脳みそを使わなくてはいけない。まぁ使いすぎて疲れたり、考えてない人にあっさりやられることもたくさんあるんですけど、でも、それなりに自分なりに説明はできるプレーをしたいというのは僕の根底にありますから、それを見ている人に感じていただけるなら、とても幸せですね」

「レジェンドって何か変な感じですよね。よく最近聞きますけどね。レジェンドって何か馬鹿にされたみたいでね」

「達成感って感じてしまうと前に進めないんですか。そこが僕にはそもそも疑問ですけど、達成感とか満足感っていうのは僕は味わえば味わうほど前に進めると思っているので、小さなことでも満足感、満足することっていうのはすごく大事なことだと思うんですよね。だから、僕は今日のこの瞬間とても満足ですし、それは味わうとまた次へのやる気、モチベーションが生まれてくると僕はこれまでの経験上信じているので、これからもそうでありたいと思っています」

「この国(アメリカのこと)には、粋という概念がない中で、でも察するという概念はあるんだなというふうに感じていて、みんな察してくれてるんだって」

イチローは、日々の積み重ねがとんでもないところまで行ける可能性があることを、身をもって教えてくれている。
同じ時代を生きた幸運に感謝したい。

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