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少しだけ夢を見た後の落ち込み ~百貨店業態は危機的状況~ [経済を眺める楽しみ]

日本百貨店協会が発表した9月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比5.0%減の 4,233億円と、7カ月連続でマイナスとなった。
9月の売り上げ低迷は、天候不順や休日は1日少なかったことなどが原因として挙げられているが、7カ月連続マイナスなのだから、もはや特殊要因による減とは言えない。

百貨店は、バブル崩壊後、長期にわたって売上を下げ続けてきた。
ピーク時から比べると半減に近い。
バブル崩壊後は厳しい経営を続けている業態も少なくないが、百貨店の下がり方は特に顕著であった。

しかし、2012~2015年の間には、ほんのり明かりが見えたような時期もあった。
消費税増税前の駆け込みといった事情もあったが、それ以外でも、高額商品が売れ始めたといった情報もよく報道された。
また、海外からの観光客が急増し、特に中国人の爆買いの恩恵を受けていると伝えられていた。
売上も、少しではあるが前年を上回るようになり、長きにわたった百貨店冬の時代も、ようやく終わりを告げたのかと思えた。

爆買いが報道されていた当時から、外国人頼みは危ないと言われていたが、観光客が増加する流れが止まるとは思えなかったし、国を挙げての観光客を伸ばそうという動きの中では、まだまだこれからに見えた。
実際、外国人観光客の数は減っているどころか、二けた以上の伸びを続けている。
この状況での低迷は、百貨店の深刻さをさらに浮き彫りにしている。

地方都市の駅前にドンとある百貨店は、一企業の一店舗というだけではなく、その地域の顔のような存在である。
なくなってしまうと、大きな喪失感がある。
しかし、お客さんの伸びが期待できないとあれば、赤字を延々と垂れ流していくわけにはいかない。

百貨店の閉店が相次いでいるが、まだ一通り終わった感じはない。
もう一段の整理があっても少しも驚かない。
地域としても百貨店のつなぎ留めに心を砕いているところであろうが、特効薬は見つかりそうもない。

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