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映画評 「帝一の國」 お勧め! [映画評]

一年を振り返って、
「あの映画面白かったなあ」
「最後まで楽しかったなあ」
としみじみ思い出させてくれる作品はほとんどない。
しかし、ここでそんな映画に出会うことができた。
「帝一の國」、実にいい映画だった。

「帝一の國」の原作は、「ジャンプSQ.19」「ジャンプスクエア」に連載されていた漫画。
漫画原作の実写映画化は失敗例が多く、まさに死屍累々の様相である。
「テラフォーマーズ」「進撃の巨人」などは、まさに惨劇。
「四月は君の嘘」も原作ファンからは酷評されていた。
もちろん、「ちはやふる」や「ヒロイン失格」といった成功例もあるが、その確率は低いと言わざるを得ない。
どうしても長大な原作のエピソードをつまみ食いしてしまう感じになるうえに、実写では表現しきれない部分が多いからだろう。
しかし、「帝一の國」は稀有な成功例となった。
こういうこともあるから、漫画原作も捨てがたい。

映画の成功は、なにより監督の功績である。
コミカルな作品を、その基調を揺るがさず愉快な気持ちにさせたままに、挫折や友情、裏切りなどを描き切った。
つい笑ってしまうシーンが多々あったし、最初から最後までテンションが落ちなかったのもすごい。
素晴らしい作品をものにされた。
そして、脚本のすばらしさも大いに称えられていい。
2時間に山あり谷ありいろいろな要素を盛り込み、伏線を活かし、甘いだけの結末にもしなかった。
まれに見るすごい脚本だったと思う。

あらすじは、
「国内屈指の名門校である海帝高校に首席で入学した赤場帝一には、いつか総理大臣になって己の国を作り上げるという大きな野望があった。そしてそのためには、海帝高校で生徒会長になることが彼にとっての絶対条件。しかし、ライバルたちも個性的かつ強力であり、権謀術数が渦巻く。2年後に控えた生徒会長選を見据え、手段を選ばぬバトルが始まった。」
というもの。
リアリティ云々ではなく楽しむに限る。
そして、思い切り楽しませてくれる映画である。

主演は、映画に出ずっぱりの菅田将暉くん。
私は勝手に「海月姫組」と区分して、応援している。
この映画も、菅田くんの演技で引っ張っている面がある。
「銀魂」での新八役にも大いに期待している。
敵役は、野村周平くん。
私は勝手に「ちはやふる組」と区分して、応援している。
ハチャメチャな役をわかりやすく演じていて、役の幅が広がった感じである。
竹内涼真くん、間宮祥太朗くん、千葉雄大くんなどイケメン俳優が周りを固めており、それぞれに大きな見せ場がある。
男臭い映画で、主要な女性出演者は永野芽郁さんだけ。
上昇中のオーラを示しつつ、役にもはまっていた。

「帝一の國」は、5つが満点の日本経済新聞の映画評で、★3つだった。
しかし、「普通」と評されるような映画ではない。
最初から最後まで楽しめる、滅多に出会えない痛快娯楽作である。
よくこんな脚本を書けたものだと、心から感服する。
もし、ゴールデンウィーク中に観る映画を迷われているのなら、この作品をお勧めする。
年に何本も観る映画ファンにも、
年に1~2本しか観ないというライトな方にも、
どちらにもご覧いただきたい快作である。

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