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村田は想像以上に強かった [ヨモヤ]

大きな注目を集めたロンドンオリンピック金メダリスト村田諒太の世界戦は、1-2のスプリットデシジョンでの敗戦となった。
ジャッジ3人の採点は111―116、112―115、117―110と大きく割れた。

負けてしまったのはもちろん残念だし、判定に納得もできないが、最も感じたのは村田の強さだった。
ミドル級の世界の壁は厚いと散々言われるが、村田の戦いぶりを見ていると、そんなものは全く見えなかった。
相手のエンダムは世界チャンピオンだったこともある歴戦の勇者であり、村田は世界初挑戦。
しかし、試合をコントロールしていたのは完全に村田だった。
エンダムも手数は出していたが、逃げの一環としてのパンチといった感じで、脅威は全く感じなかった。
勝負は時の運、というが、村田とエンダムには大きな差を感じた。
はじめてワールドクラスの選手と戦うことで、村田には厳しい試合になるのではないかと心配したが、それは杞憂だった。

結果的に残念だったのは、終盤村田が安全運転に徹したことである。
完全にリングを制圧した状況にあり、無理に倒しに行ってラッキーパンチをもらうより、確実に判定で勝利をつかもうという戦略のように見えた。
それがエンダムにポイントを譲る形になってしまったのは、もったいなかった。
それでも、どう見ても村田の圧勝だったが。

ジャッジは、ジャッジで飯を食っているプロであり、彼らには彼らなりの見方があるのだと思う。
私は村田が圧倒していたように見えたし、ほとんどの人にもそう見えていたと思うが、あの二人には違うものが見えていたのだろう。
ただ、ボクシングに限らず、採点競技においては、これまでも何回も不思議な判定を見てきたので、まあ、こういうこともあるか、と思うしかない。
やるべきことをやりきった村田としては全く理解も納得もできないだろうが、「仕方がない」と言うしかない。

日本人がミドル級で戦えるか、という命題には、村田は「全く問題ない」という答えを出した。
再戦をすれば勝てるとは思うが、正直なところ、エンダム戦をもう一度見たいとは思わない。
村田の旅がここで終わるはずはないと思うが、ちょっとむなしさが募る夜であった。
残念ながら、ボクシングへの不信を持った人は少なくないだろう。
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