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野球を見る楽しみが一つ減る  ~ リプレー検証は興をそぐ ~ [ヨモヤ]

1959年、球史に残る天覧試合で、巨人の長嶋さんにサヨナラホームランを打たれた阪神の村山実さんは、生涯「あれはファウルだった」と言い続けたという。
その他、1969年の日本シリーズ第4戦の土井さんのホームインなど、きわどい判定が大事な試合の勝敗を決したことが何度もある。
ファンは、それを語り継ぐ。
あれはアウトだったセーフだった、審判の〇〇は普段から、などと蘊蓄を傾ける。
それが大いなる楽しみになっていた。
白黒をつけるだけなら、じゃんけんでもなんでもいい。
野球を見る楽しみは、審判のミスを含めて、人間を見ることである。

日本野球機構は都内で実行委員会を開き、来季からリプレー検証制度「リクエスト」の導入を正式決定したという。
メジャーが始めれば、ホイホイついていくのが日本野球なので、やむを得ない流れなのかもしれない。
アマチュア野球は、アマチュアリズムに加え、設備的な要素もあって追従しないだろうけれど。
なんでも、判定に異議がある際に監督側からリプレー検証の要求が可能になるのだそうだ。
チーム(監督)は1試合において「2回」のリクエストを行使でき、リプレー検証の結果、判定が覆った場合は回数が継続されるという。
また、延長に入った場合は、新たに「1回」のリクエストが付与されるらしい。
リクエスト、ねえ。
ラジオじゃあるまいし。

監督や選手としては、それこそ命がけで戦っているので、ミスジャッジでそれを曲げられてはかなわないから、リプレー検証は歓迎だろう。
審判はやってられない思いだろうが。

1996年の夏の甲子園の決勝は、松山商業と熊本工業の間で行われた。
そして、「奇跡のバックホーム」と言われる名シーンが生まれた。
あそこでリプレー検証が求められたらどうだろう?
もし、ひっくり返ったらどうだろう?

なんか、つまらんなあ、と思うのである。

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