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世界記録ならわかるけど…  ~ マラソン日本記録は目出度いが1億円はいくらなんでも ~ [ヨモヤ]

私の学生時代、日本の長距離界は黄金時代を迎えていた。
瀬古さんという絶対王者を筆頭に、宗兄弟、中山竹通さん、新宅雅也さん、森下広一さんなど、錚々たるメンバーが揃い、代表選考は国民的関心事となった。
それがいつしか世界に置いていかれるようになり、ここ数年は国内大会での優勝も滅多に見られなくなっている。
オリンピックのメダルなど、夢のまた夢、という感じである。

だから、そのカンフル剤として、賞金を用意するのはわかる。
金のために走る、というとちょっといやらしい感じがするが、それも大いにありだろう。
東京マラソンで日本記録を更新した設楽悠太選手も、冗談交じりではあろうが、
「40キロで日本記録は確実にいけると確信して、1億円がよぎった」
と話したように、記録を伸ばす後押しになったようだ。

しかし、たかが、といっては失礼だが、日本記録で1億円はいくらなんでも大盤振る舞いが過ぎはしないか。
日本記録が出たといっても、
記録が出やすい国内の高速コースで、
ペースメーカーに引っ張ってもらったもので、
優勝したわけですらない。
もっと言えば、世界記録からは3分以上遅れている。
3分と言えば、1㎞にも相当するから、残念ながら全く勝負になっていない。
2時間6分で1億円と聞いたら、海外の選手はびっくりだろう。

それはそれとして、東京五輪に向けて、大迫傑に加えて、設楽悠太という同年代のライバルが出てきたことはいい流れである。
オリンピックには幾多の競技があるが、マラソンはその中でも「オリンピックの華」とも言われる注目競技である。
結果としてメダルに届くかどうかはともかく、自国開催のオリンピックの時には、せめて可能性を感じられるランナーに出場してもらいたい。
現段階では、まだまだ世界は遠い。
ただ、全く見えなかった背中が、かすんでではあるが、ほのかに見え始めた状況ではあるだろうか。
1億円はともかく、今回の日本記録が、マラソン日本復活の起爆剤になることを願いたい。

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