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映画評 「銀魂2 掟は破るためにこそある」  ~ 心配していたとおりの第2作 ~ [映画評]

確かに、掟は破るのは快感だし、型から外れようとすれば掟を破らなければならない。
しかし、型から外れることが目的化してしまうと、それがかえって見えないしばりになってしまう。
型から外れること自体をカッコいいことと誤解してしまうと、周りから見ると、実にカッコ悪いことになってしまう。

銀魂の実写化1作目は、面白くて熱くなれる良作だったと思う。
よく作ったなあと感嘆した。
監督、スタッフに頭が下がった。
続けて2作目が作られると聞いて、少し心配した。
1の成功によって、
タブーを踏み外す恐れや、
期待に応えなければならないという切迫が
薄まってしまいはしないかと思ったからだ。
そして、残念ながら心配は的中した。

2作目も楽しかったが、熱くはなれなかった。
作り手の恐れが感じられなかったからであろうか。
この辺までは大丈夫、という余裕が見えてしまったからだろうか。
こうやれば喜ぶんでしょ、という作り手のゆるさが透けてしまったからだろうか。

そうは言ってもギャグパートは楽しいのだが、なんというか、
「この人がここまでやるなんてすごいでしょう」
「映画でここまできわどいことをするなんてカッコいいでしょう」
的な安易さが透けて見えて、乗り切れなかった。

シリアスパートについては、しっかり脚本を練り込もうという意欲を最初から放擲されていたように見えた。
原作で非常に人気の高い「真選組動乱篇」を使っていて、ちゃんとやれば熱くなれるはずなのだが、設定も前振りもほとんどしていないから、単なるドタバタにしか見えない。
映画に合わせた改変も、ことごとく外れている。
もったいない。
初めから原作を大切にしようという思いがないように見えるから、作り手は何とも感じていないかも知れないが。

役者さんの演技には、特に文句はない。
小栗旬さん、菅田将暉さん、橋本環奈ちゃんのトリオの息はさらに合っているし、求められるとおりの演技をされていたと思う。
初参加の三浦春馬さん、窪田正孝さんの両名も、陳腐な脚本をしっかり演じられていた。
佐藤二朗さん、ムロツヨシさんの出番が長いことが評判が悪いようだが、私は素直に楽しんだ。

去年公開された第1弾が、2017年の実写映画ナンバーワンのヒットになった。
本作も、かなりのヒットになっているようだ。
となると第3弾が作られる可能性がある。
もし作られるのなら、大変失礼ながら、別の監督による「銀魂」を観たい。
もちろんグダグダにシリーズ化して、「釣りバカ日誌」的に続けていく手もなくはないが、そういう銀魂を見たいとは思わない。

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