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「真面目に」消費税について考えたい [公会計]

参議院選挙が終わった。
事前の予想どおり、与党勢力が過半数を確保した。
これにより、10月に予定されている消費税増税への議論も、一応の終止符が打たれることだろう。

今回は一定の決着が見られたが、消費税については、賛否両論がある。
意見はいろいろあっていいと思う。
ただ、大切なテーマだけに、「真面目に」考えたい。
ちまたには、ちと真面目さに欠けるような意見も見られるからである。

例えば、
「消費税を下げれば景気が回復する」
という主張である。
私も、消費税を上げることは、景気にマイナスのインパクトを与えると考えるが、
下げたからと言って消費を増やそうとする人がいるだろうか。
下げるとなったら、かえってそれを待っての買い控えが起きるのではないだろうか。
一方、消費税を下げると税収が減るのは確実である。

「前回の増税時にはリーマンショック以上の消費減につながった」
という主張も、ちょっと大袈裟な気がする。
確かに前年度比の落ち込みは激しいのだが、それは駆け込み需要で前年度の数字がかさ上げされているからである。
それを示さないので、単に前年比の絶対額だけで言うのはいかがなものだろう。

また、
「福祉目的のはずの消費税は法人税減税の穴埋めに使われた」
という説も、納得感が低い。
そもそも消費税の使い道(支出)についての議論のはずが、収入にすり替えられているのが残念だが、
法人税が減っている間に消費税が増えているからというだけで穴埋めに使われたとするのは短絡に過ぎる。
実際に歳入不足分の穴埋めには国債が主に充てられていて、その増加額は消費税の比ではないのだが、
それを言わないのはどうだろう。
また、法人税減税には、景気対策や国際間競争の意味があったはずで、それは不要と考えておられるのかどうか。

このブログにも何度か書いたが、
私自身、消費税には懐疑的な考え方を持っている。
だからこそ、「ためにする議論」はご遠慮いただきたい。
そうした意見が混じることで、
「ああ、例の反対のための反対ね」
と思われてしまうのが残念である。
きちんと議論して、あるべき税の方向を考えたい。

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