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財政出動について考える ~ MMTが正しいかどうかはさておき ~ [経済を眺める楽しみ]

日本経済新聞朝刊の中ほどに
「大機小機」というコラムがある。
正直なところ、私の考えと相いれないこともしばしばなのだが、7月24日付の財政出動に関する内容にはうなずかされた。
タイトルは、
「財政出動の前に考えてほしいこと」
であり、赤字を気にする必要はないというMMT理論に触れつつ、
我が国における財政出動への疑念について書いている。
筆者は、財政出動はするべきではないとの立場であり、理由として3つ挙げている。

まずは、経済状況である。
他国がうらやむほど失業率が低いなかで、そもそも財政出動の意味は無いのではないか、というわけである。

続いて、一度出したら元に戻りにくいと指摘している。
財政拡大後、インフレの懸念が生じたりした場合、今度は財政支出の削減が求められるが、
それがなかなかできないのではないかというわけである。

最後に、過去の評価をすべきという。
平成時代には、延べ30回、事業規模にして400兆円もの財政出動を行ったが、
持続的な成長力の引き上げには無力だった、というわけである。

私は、MMT理論を馬鹿にすべきではないと思う。
財政均衡を優先して経済を壊してしまってはなんの意味もない。
一方、これまで何度も行われてきた財政出動にあまり意味がなかったことも事実である。
新しい財政出動の形を模索すればいい、
という意見は正論だが、政治や行政の枠組みが変わっていない中、新しい形が生まれるとも思いにくい。

金融政策が効かなくなってきたから、今度は財政出動、との連想が生まれそうではあるが、
それではいつまで経っても自律回復につながらない。
小康状態の今は、将来に向けた布石を打っていくべきなのだと思う。

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