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未曽有の危機の割に株が高過ぎる不安 [経済を眺める楽しみ]

今般のコロナショックに伴う経済危機について、
「100年に1回の経済危機」
という言葉を使う人がおられる。
お気持ちはわかるが、
アメリカのサブプライムローンに端を発し、リーマンショックで危機が増幅した2008年前後の金融危機のとき、
散々「100年に1回」と言われたので、「だったら、あれは何だったんだ」感が強い。

そんなこともあってか、このところ使われているのは、
「戦後最大の経済危機」
という表現である。
リーマンどころではない、ということだろうか。

しかし、その割に株価が下がっていない。
金融危機の時には、ダウで14,000ドルから7,000ドルまで下がったのだが、
今回は29,000ドルを超えていた水準から、一時20,000ドルを割り込む場面もあったのだが、
現在は23,000ドル。
あまり下がっていない。
日本株も同様の推移となっている。
戦後最大の危機というには、株価が高いままなのである。

もちろん、経済のためには株価は高い方がいい。
それは間違いないのだが、大幅な下げ余地を残してしまっているような感がある。
経済活動が徐々に正常化するのに合わせて、
株価もつれて上がっていくという展開が望ましいが、
むしろ株が下がるのはこれからという気もしてくる。

現在の株価は、企業の業績や経済活動の回復期待といった経済の実態ではなく、
金融緩和に支えられているのだと思う。
景気を下支えするために金融緩和が必要であったことはよく理解できるし、
それが株価を押し上げ、
経済にも好影響を与えていることは確かだろう。
しかし、景気が悪くなっていけば、いずれは株価にも反映されてくる。
そのとき、実態とかけ離れた値がついていたら、下げ方が急になる。
そのダメージは小さくないのではないだろうか。

株価は、半年先を見るという。
現在のそれなりに高い株価が、半年後の世界経済の復活を先取りしていることを祈る。
不安の方が大きいのだけれど。

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