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映画評 「映像研には手を出すな!」 [映画評]

今年の冬、NHKで放送されたアニメ版の「映像研には手を出すな!」に、はまった。
熱く楽しくわくわくするストーリーと、
凄い作画。
後半、ちょっとダレた感はなきにしもあらずだが、傑作アニメだった。
それが実写化されるということで、楽しみにしていた。

映像研の主要メンバーは3人。
極度の人見知りで、自分のことを「ワシ」「あっし」などという変わり者が浅草みどり。
アニメ制作では「設定が命」。
ゴリゴリの現実主義者でプロデューサー的役割をするのが金森さやか。
180㎝もの長身で、金策や交渉事を担う。
もう一人が、カリスマ読者モデルで、両親も有名俳優の水崎ツバメ。
アニメーター志望だが、両親にはアニメにかかわることを強く反対されている。

この3人を実写化する際、ルックスを原作に寄せるなら、
水崎さんのみ美少女系にし、金森さんは超長身の人、浅草さんはとにかくやぼったい人、
となる。
しかし、実際には浅草さんを齋藤飛鳥さんが演じており、その段階で原作にはちっとも寄っていない。
まあ、原作に寄せればいいというものでもないので、そういうものとして観ることとする。

なのだが、最初は違和感が広がり、作品に入り込めなかった。
回想から始まる展開も違和感ありまくりで、
これはせっかくの素材を活かしきれなかったか、と思った。

しかし、映画が進むにつれ、
3人にも慣れ、
実写であるが故の楽しさにも乗れるようになり、
あれ、ちょっとグッと来たりして。
ツッコミどころや、あそこはもっとこうしたら、もたくさんありつつ、
まあ、そんなことはいいじゃないかと吹っ切れ、十分に楽しんだ。

もちろん、傑作でも佳作でもない。
だが、これだけ楽しければ十分。
いろいろな映画やテレビ番組のパロディがあり、
それがすべてはまっているかというとそうでもないし、
原作か、アニメか、ドラマか、どれかに触れていないとピンと来ないだろうし、
山場もそれなりな感じ。
でもまあ、十分。

監督は、英勉さん。
英監督の作品では「ヒロイン失格」が大好きなのだが、それ以降はがっかりすること少なからず。
今年の初めに公開された「前田建設ファンタジー営業部」は楽しかったが、
夏に公開された「ぐらんぶる」がさっぱりだったりして。
なにはともあれ、アイドルを使った映画を撮らせたら第一人者と言えるだろう。
本作も、しっかり実写映画として成立させている手腕は見事。

乃木坂の3人以外では、浜辺美波さんが不思議な役で出演。
主要キャストとの絡みは一切なし、というあまりないパターン。
新所沢レッツシネパークのコマーシャルビデオに出演されている小西桜子さんが生徒会長役で出演。

「映像研には手を出すな!」は楽しい映画。
ちょっと予習しておいた方がより楽しめるが、初見で行ってもなんとかなる。
残念な部分も多々あるので、原作ファン、アニメファンの方は、ハードルを上げ過ぎずにご覧いただきたい。

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