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映画評 「夜、鳥たちが啼く」 [映画評]

乗りに乗っているならぬ、
撮りに撮っている状態にある
城定秀夫監督の作品。
今年公開される監督作だけで、
「愛なのに」「女子高生に殺されたい」「ビリーバーズ」
に続いて4作目。
来年もすでに3本がスタンバっているというから、いやはや。

タイトルがいい。
面白いのではないかという期待が高まる。
原作は、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』『きみの鳥はうたえる』『草の響き』と次々に映画化される佐藤泰志さんの小説。

主演の山田裕貴さんと松本まりかさんの熱演もあり、
雰囲気の伝わる映画になっている。
文学の香りが漂う。

しかし、正直拍子抜けである。
文学としては余韻が残る作品だと思うが、
映画としてはなんとも。
どうしようもない男と女の話で、
それはそれでありなのだが、
最後まで二人のらちは明かず、
映画としては「だから何?」と言いたくなってしまった。

山田裕貴くんは、どんどんいい役者になっている。
2018年の「あの頃、君を追いかけた」が印象的だったが、
今や繊細な演技もできる若手実力派である。
松本まりかさんも、ここに来て花を咲かせつつある。

城定監督は、「アルプススタンドのはしの方」でも感じたのだが、
野球の描き方がぞんざい。
本作でも、独立リーグが映されるシーンがあるのだが、
ちょっとひど過ぎる。

「夜、鳥たちが啼く」は、雰囲気のある映画。
ただ、突き抜けた何かを求めると、「はら?」となる。

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