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伯桜鵬という希望 [ヨモヤ]

白鵬関の長い長い全盛期、
優勝が決まっている場所を見続けなければならないのもつまらないなあ、
とずっと感じていた。

なにしろ白鵬関は、
優勝回数45回、
年間最多勝13回、
63連勝あり、
7連覇あり6連覇あり、
というとんでもない強さを長きに渡って誇っていたから。

一方、白鵬関が現役を退いてしまったら、
土俵はゆるむだろうな、と思っていた。
そして、そのとおりだった。
いや、予想以上というべきだろうか。
横綱も大関も定着せず、
一番一番の相撲もなんだかぼんやりしたものに見えた。
ギラギラした力士もいないように感じられた。

そこに現れたのが、落合改め伯桜鵬である。
伯桜鵬は、
幕下を1場所で通過した後、
十両もわずか2場所で通過。
史上最速タイの3場所での幕内昇進となった。

もちろん、そのスピード出世ぶりが注目されるが、
見るべきはその勝負根性、勝負度胸であろう。
終盤戦、優勝を争う一番になっても、
先輩力士に一歩も引かずにらみ合っていた。

初土俵からわずか4場所目で、
10代で、
新入幕で、
千秋楽まで優勝を争って、
敢闘賞と技能賞を受賞。
出来過ぎと謙遜してしかるべきが、
「師匠(元横綱・白鵬)と同じ12勝ができなかったのが凄く悔しいし情けない」
とのコメントを出す。
久し振りに勝利への渇望が感じられる力士である。

怪我さえなければ、と思う。
今場所も、左肩をテーピングで巻いていた。
不安があるのなら、しっかり休む勇気も必要である。

本当に強い格闘家やアスリートは、
勝っても勝っても満足しない。
たった一度の負けを許せない。
伯桜鵬そんな空気を漂わせている力士である。
ずっとそのままでいてほしい。
飢え続けていてほしい。
芯のない相撲界を、ビシッと変える。
そんな存在になってほしい。
伯桜鵬は希望である。

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