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韓国で「人間失格」がベストセラーになっているそうな [ヨモヤ]

韓国で、太宰治さんの「人間失格」がベストセラーになっているという。
それもここで急に売れているというのではなく、長く手に取られているらしい。
最初に翻訳本を出した老舗出版社「民音社」の作品の書籍の重版はすでに120刷だという。

大きく動いた背景には、
歌手のIUさんが「人間失格」を読んでいる姿が流れたこと、
YouTubeのプレイリストで注目を集めたこと、
といったわかりやすい理由があるようだが、
それだけでもないらしい。

ネットの記事によれば、
「人間失格」が韓国の若者から支持される理由として、
「うまく人間関係が作れない主人公に自身を投影し、共感しているのではないかと言われている」
というのである。
「『人間失格』には、いい人であることを強いられるプレッシャーや、対人関係での居心地の悪さなどが書かれている。韓国のZ世代には“スマイル仮面症候群”が多いといわれ、そんな自分自身の姿を小説の主人公に投影しているのでは、と推測される」
ともされていた。

「スマイル仮面症候群」という言葉に馴染みがなかったので調べてみると、
以下のような症状だという。

“作り笑顔の状態が意図せずに続く症状。周囲からよく見られたいと思い、感情を抑制して笑顔を作る状態が長期間続くことで起こると考えられる。男性にはほとんどなく、働く女性に多くみられる。”

つまり、本当は楽しくも面白くもないので、作り笑顔、スマイルを続けているうち、
そのスマイルが顔に貼り付いてしまい、取れなくなってしまうというのである。

一般に、よその国の文学を理解することは難しいと思う。
文化も歴史も習慣も考え方も違うから、
登場人物に共感できなかったり、
そもそもわけがわからなかったりもするだろう。
しかし、スマイル症候群に苦しむ人が「人間失格」を手にするのは、
なんだかよくわかる気がする。
救いになるのかどうかはわからないけれど。

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