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トヨタの時価総額が日本企業史上最大になったというが [経済を眺める楽しみ]

全体の地合いが強い中、大型株も好調。
その流れに乗って、トヨタ自動車の株式時価総額が日本企業で史上最大となった。
その額、約48兆8,000億円。
いつのどの会社を上回ったかというと、
1987年にNTTが記録したもの。

1987年と言えば、いわゆるバブル経済真っただ中。
NTTはその2年前に民営化されたばかりだったが、
政府がその株を売り出すに当たって、国の保証付き的な妙な安心感も広がり、
買いが買いを呼ぶような状況となった。
1次売り出し価格119万7,000円に対し、
初値が160万円、
その後、318万円まで高騰。
当時の時価総額世界一となった。

この時のNTT株の上昇は全く実態を伴っていなかったと言えるが、
今回のトヨタは、それに比べれば地に足がついたもの。
PERは10倍そこそこだから、
過大評価というよりむしろ市場平均以下である。

48兆といえば途方もない数字だが、
当時世界一だったNTTと比べ、
今のトヨタの数字は国際的には全然大したことはない。
世界ランキングで1位、2位を争うアップルとマイクロソフトの時価総額は、
約3兆ドル。
日本円にすると440兆円を超える。
トヨタの10倍近い。

アジア企業に目を転じても、
台湾セミコンダクターが約90兆円、
韓国のサムスンも50兆円を超えている。
トヨタは世界全体で見れば30位前後というところである。

日本企業でトヨタに続いているのはソニーで時価総額は約18兆円。
3位以下に、三菱UFJ、NTT、キーエンスと続くが、トヨタとはずいぶん差がついている。

トヨタの時価総額が増えるのは日本経済にとって悪い話ではない。
しかし、トヨタの時価総額を超える企業が現れそうにもないのはいい話ではない。
トヨタの業績が伸びているうちに、
トヨタの時価総額を超える企業が次々に生まれるような状況が来ればいいのだが。

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