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通訳案内士試験勉強法 その2 日本地理(試験傾向編) [お役所内案内士]

平成28年4月に改定された「通訳案内士試験ガイドライン」によれば、「日本地理」についての試験は次のような内容とされている。

・試験は、日本の観光地等に関連する日本地理についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む。)のうち、外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を問うものとする。
・内容は、地図や写真を使った問題を中心としたものとする。

要は、知識の細部ではなく、ガイドに役立つ知識を問うものということだろう。

平成26年度までの問題では、「日本地理」は比較的取組みやすい試験科目であるように感じていた。
しかし、27年度は急に傾向が変わった。
それまでは、いわゆる地理を全般的に勉強していればなんとか対応できたものが、通訳ガイドとして実践的なものに転換した。
箱根への乗り継ぎ方法や、
高尾山頂までの距離など、
「そんなん、知りませんがな」
という問題も散見された。

また、それまでには大問として必ずあった、地図の読み方に関する問題も出題されなかった。
地図問題は点数の稼ぎどころであったと思うのだが、それがまるまる無くなってしまったのである。
私も、頑張って地図記号を覚えたりしていたので、拍子抜けであった。
ガイドラインに「地図を使った」と書いてあるのに出題しないとはどうしたものかとは思うが、実際のガイドの場面で等高線を読んだりすることはほとんどなさそうなので、実践に即した内容に改めたということなのだろう。

地理の試験は、今後もガイドの現場に使えそうな知識が中心になるのだろう。
だとすれば、人気の観光地の周辺情報には気を配っておきたい。
日本中の観光地に足を運ぶことは現実的に不可能だから、有名どころについてはネットで調べておくべきだと思う。
また、世界遺産とジオパークは重要項目である。
世界遺産については、誰もが注意を払うところだと思うが、問題はあまり普段取り上げられないジオパークの方である。
こちらは、「世界ジオパーク」だけではなく「日本ジオパーク」にも十分注意が必要である。

ただ、案内士試験の傾向は、日本地理に限らずあまり安定していないように感じる。
そのため、出題傾向をつかむことは必要だが、あまりヤマを張り過ぎるのもよくない。
上記に書いたようなことを気にしつつ、日本の地理について、基本的なことをコツコツ記憶しておくことが大切であろう。
地理単独ではなく、歴史や風俗と連携させながら。

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通訳案内士試験勉強法 その1 英語(参考サイト&書籍編) [お役所内案内士]

5月2日付で、通訳案内士試験中、英語科目勉強法の全体像について書いた。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02
今回は、私が参考にしたウェブサイトや書籍について書いてみたい。

まずは、ウェブサイトから。

今時の人なら、案内士試験を受けてみようと思ったら、おそらくその日のうちに、
「通訳案内士 試験対策」
「通訳案内士 勉強法」
といった言葉でググるのではないだろうか。
「通訳案内士 参考書」
かも知れない。
すると、いろいろなサイトが表示されて、いろいろな人がいろいろなことを書いている。
宣伝目的のサイトはさておき、非常に丁寧に書いておられるブログ等もあるので参考にされるといいと思うが、情報が古くなっていないかどうかには十分注意が必要である。
案内士試験は、変化の振り幅が大きく、特に2015年度から大幅な変更がなされている。
それ以前に書かれた内容は、現状に即していない可能性がある。

私が一番試験に向けて一番見たサイトは、全体像編でも書いたがWikipedeaである。
例えば、「子供の日」と打ちこみ、日本語での紹介をざっと読んだ後、英語版に移行して内容を確認するという感じである。
「納豆」「花見」といった日本の文化や風俗についても調べられるし、そのほかにも漫画などのポップカルチャーについても英語版があることが多いので、楽しみながら英語の長文に触れることができる。
「ちはやふる」でも「コナン」でも、なんでもござれである。

日本政府観光局(JNTO)の、Japan Monthly Web Magazine も参考になる。
行先や季節、目的などで日本の紹介がされていて、これを読んでいるだけで試験対策になりそうである。
http://japan-magazine.jnto.go.jp/en/

その他、Yahoo! のアメリカ版 https://www.yahoo.com/
CNN http://edition.cnn.com/
なども英語に触れる機会になる。
こうしたサイトで、興味がある記事を読むようにすればいいと思う。

次に、参考書について。

書店に行っても、「通訳案内士」の受験対策本はほとんど見かけない。
TOEICや英検が散々幅利かすダンダダやっているのに、やや残念ではある。
メガ書店に行けば何冊かはあるのだろうが、近くにそういう本屋さんがないという方も多いだろう。
となると、いきおいアマゾンに頼ることになる。
ただし、レビューがある程度参考にはなるものの、実際手に取って見られないのは痛い。

さて、アマゾンで「通訳案内士」関係の書籍を探すと、それなりに出てくる。
しかし残念ながら、通訳案内士試験に特化した参考書は、正直なところあまりよくできていなかった気がする。
なんとなく手元に一冊くらいは持っていないと不安な感じがするが、実際はあまり問題ない。
過去問はある程度解いておきたいが、2015年度から出題方式や傾向が大きく変わっているので、あまりこだわる必要もない。
また、過去問については本を買わなくても、ウェブ上で見ることもできる。
※例えばこちら http://www.cel-eigo.com/exam/guide_info_2.html

もともと、通訳案内士の英語の試験については、そのための特別な勉強はいらないと思う。
英検のように難解な単語の知識が問われるわけではないし、TOEICのようにスピード重視というわけでもないのだから。
日ごろ行っている英語のお稽古を、コツコツ続けて行けば、それで十分である。

そこで参考書籍としては、試験の対策本より、
IBCパブリッシングの「英語で発信する 日本小事典」
講談社の「英語で話す日本」シリーズ
といった本を読んだ方がいいのではないかと思う。
こちらの方がためになる。
本によっては、意見に偏りがあったりするが、まあそれはそれとして。
こちら系の書籍はいろいろ出ている。
おそらく図書館にもある。
何冊か手に取って、空き時間にでも読み進められてはいかがだろう。

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通訳案内士試験勉強法 その1 英語(全体像編)  [お役所内案内士]

2016年度の通訳案内士試験の1次試験は、8月21日(日)。
あと3か月半。
まだ行ける。

通訳案内士試験は、決して狭き門ではない。
昨年の結果を見ると、
一次試験の合格率が29.3%
二次試験の合格率が69.1%。
トータルの合格率が21.5%
である。
合格率は受験生のレベルにも左右されるので、一概には言えないが、それでも超難関と言える数字ではないと思う。
去年受験したものとして、何回かに分けて勉強法のようなものを提案してみたいと思う。
少しでも参考になれば幸いである。

案内士は、語学関連の唯一の国家資格であることから、語学の最高峰資格であってもいいように思うが、実際にはそうではない。
英語の1次試験免除規定として、
・英検1級
・TOEIC840点以上
が掲げられていることからもそれはわかる。
英検1級はさておき、TOEICの840点については、それなら行けるかも、と思う人は多いと思う。
実際に840点取ったことがなくても、700点くらいの力があるのなら、これから十分間に合う。
しかも、リスニングもライティングもないのだから、準備は比較的しやすいのではないだろうか。

注意すべきなのは、去年から問題の傾向が大きく変わったことである。
すべてマークシートになったことと関係するが、これまでにあった「この日本語を英語で説明しろ」がなくなった。
2014年は、「式年遷宮」と「だし汁」だった。
これがなくなったのは受験生にとってはありがたい。

その代り、といっては何だが、ガイドとしての知識やセンスがより問われるようになったと感じる。
英語のテストというより、ガイド力のテストという感じだろうか。
また、記述がなくなった分、読む文章が長くなった。
こちらにも注意が必要であろう。

そこで英語の勉強法であるが、大切なのは普通に英語力を高めることであろう。
基本的に、特別なトレーニングは必要ないと思う。
実務で使うために勉強されているのならそれを継続すればいいし、
英検やTOEICを受けられているのなら、そのための準備を進めればいい。
英語力をつけていけば、それだけで十分だと思う。
もっと言えば、そこが出来ていなければ、案内士に向けた勉強をしても意味がない。

日ごろから気を付けておきたいのは、日本の文化や習慣を英語でどう伝えるのか、ということだろう。
例えば、今はゴールデンウィーク(GW)真っ只中だが、このGWも日本独特のものだから、英語でどう表現すればいいのかといったことを、ふとしたときに考えたい。
五月晴れってなんて言うのだろう、
七夕ってどう説明しよう、
といった具合である。
そしてそんなときに役立つのが、Wikipedia。
大抵の日本の言葉には、英語版がついている。
これを読んで、ふうんと思っておこう。

試験対策としては、長文を速く読める訓練もしておきたいところだが、これは少し時間がかかると思う。
大学受験ならともかく、仕事がある人が取り組むケースが多いであろう案内士試験において、長文読解の力を高めていくのはちとしんどい。
そこで、英語の新聞や雑誌に目を通すことによって楽しみながら力をつけていくことをお勧めしたい。
それはしんどいという人は、英語版のYahoo!やCNNのサイトを眺めておこう。
政治や経済の話題を読むのがいいのだろうが、それに興味が持てないなら、スポーツやエンタメの記事を読もう。
それでも英語であるに変わりはない。
長文は、急にサクサク読めるようにはならないし、試験当日は焦りもあってさらにとっちらかるが、普段からそれなりの長さの文章を読んでおけば、一応の対応は可能になるだろう。

2015年の試験では、「端的に表現した文章はどれか」という出題があった。
新傾向として、今年もあるかも知れない。
まるで国語のような問題で、つかみどころがなく、事前にできることも限られる。
ただ、ガイドである以上、「とにかく、わかりやすく」ということに心掛けるのは当然であり、そうした気持ちで簡潔でわかりやすい英語表現を探す癖をつけておくことは必要だろう。

通訳案内士試験の英語を恐れることはない。
英語力という点だけから行けば、普通に勉強していれば十分である。
しかし、ガイドとしての歴史や地理、文化の知識がないと合格点には達しない。
英語力の検定試験ではないということを心得て備えておく必要がある。
英語の試験としてはそれほど難しくなくても、正解を導くのはそれほど易しくないというのが案内士試験の特徴である。

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2016年度通訳案内士試験の日程発表 ~4か月あればなんとかなる~ [お役所内案内士]

日本政府観光局から、2016年度本年度通訳案内士試験の日程等について発表があった。
それによると、
筆記試験は、平成28年8月21日(日)
口述試験は、平成28年12月4日(日)
とのことである。
すでに準備を始められている方も大勢おられるだろうが、これからという方も少なくないだろう。
あと4か月ある。
頑張れる期間である。

試験科目は、筆記(第1次)試験では
・外国語(英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語及びタイ語)
・日本地理
・日本歴史
・産業、経済、政治及び文化に関する一般常識
の4科目である。

口述(第2次)試験については、
・通訳案内の実務
とされている。
受験生の皆さんは、まずは1次試験突破を目指されることになる。
外国語について現段階でほぼ白紙の状態という方はさすがに難しいとは思うが、それ以外の科目はまだまだ追い上げが効くと思う。
学校を卒業してから、地理や歴史の勉強を全くしたことがないという方でも、細かい年号を丸暗記するわけではなく、あくまでも外国人観光客を案内するための知識を問われる試験であるから、今からでも間に合う。
一般常識についても、新聞をちゃんと読んでいれば下地はできていると言っていい。

もちろん、資格試験であるから、それに特化した準備は必要である。
それについても今後書いてみたいと思う。

外国人観光客の皆さんのお力になりたい、
東京オリンピック・パラリンピックで何かしたい、
英語の力を試したい、
などなど、いろいろな方にとって、通訳案内士の資格への挑戦はもってこいである。
1次試験は8月下旬。
4か月あれば、なんとかなる。

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訪日外国人「2030年に6000万人」は夢ではないが課題も多い [お役所内案内士]

政府は、「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を開き、
訪日外国人数を「2020年に4000万人、30年に6000万人」
に増やす新目標を決めた。
これまでの目標は、
「20年に2000万人、30年に3000万人」
だったから大幅な積み増しである。

失礼ながら、政府の掲げる目標は達成されないことが少なくない。
そんななか、目標達成どころか、目標値をさらに高く設定し直そうというのだから、稀有なことである。
訪日外国人数は、2015年の段階で1973万人であり、今年に入っても昨年を上回るペースで増えており、確かにこの勢いであれば、目標値の引き上げも当然であろう。
アベノミクスの成否について疑義が呈されることも多いが、本政策は大成功した事例と言えるだろう。

政府としては、この恩恵を都市部だけでなく、地方部にも広げていきたい意向である。
東京‐富士山‐京都‐大阪を通る、いわゆる「ゴールデンルート」に人気が集まるのはある程度やむを得ないとしても、それ以外の地域にも外国人の足が伸びていかないと、訪日外国人が増えていることの効果は実感できない。
人口減少社会を迎え、厳しい経営環境にある地域の観光地や商店街が、訪日外国人消費により息をつけるようになれば、意義はぐんと広がる。

訪日外国人を増やすための政策としては、中国、インド、フィリピン、ベトナム、ロシアの5か国から訪れる観光客ビザの発給要件緩和や、外国人が訪れる主要な観光地や宿泊施設で全面的にクレジットカードが使えるようにするといったメニューが提示されている。
また、住宅やマンションの空室などに旅行者を有料で泊める「民泊」についても、いろいろな可能性を模索するとのことである。

訪日外国人が増えることは、経済効果はもちろん、国際友好・国際理解の観点からも意味がある。
だから、どんどん増えてほしい思いもあるが、現段階では受け入れ態勢が十分とは言えない。
民泊が進められているのは宿泊先の不足によるものだが、それだけではなく、バスなどの移動手段についても深刻な不足となっている。
バスの駐車場所も不十分で、あちこちで渋滞の原因となっている。
観光地のゴミや、外国人観光客のマナーの悪さも、徐々に深刻になりつつある。

しかし、いろいろな課題があっても、訪日外国人を増やすための取組みはさらに進めて行くべきであろう。
というより、もはや消費の面では、訪日外国人は重要な支え手になっている感さえあり、ここがなくなってしまったら、日本経済としても大きな痛手となる。

火が点いた日本観光熱は、しばらくは冷めることがないだろう。
この好機をしっかり活かしたい。
政府による環境整備ももちろん大切だが、その先は地方の知恵の出し合い、客の奪い合いである。
生き残りがかかっているといっても過言ではない地域も少なくないだろう。

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地方に伸びる外国人観光客の足 [お役所内案内士]

観光庁の速報によれば、2015年に国内のホテルや旅館などに泊まった外国人の数(延べ宿泊者数)が、前年比48.1%増の6637万人となり、過去最高を更新したようだ。
外国人観光客が伸びていることは誰もが知っているが、前年比1.5倍という勢いのすごさに改めて驚く。

都道府県別の宿泊者数は、
東京が1778万と最多で、以下、
大阪934万、
北海道548万、
京都481万、
と続く。
上位は前年と同じだったという。
ゴールデンルートと言われる、東京や京都、大阪、富士山に集中する傾向は続いているものの、地方への広がりも見えてきているようだ。
特に静岡、佐賀、茨城、三重、滋賀は倍増に当たる100%を上回る増加率となったらしい。

実際、
「え、こんなところにも」
というようなところにも外国人の姿が見られる。
日本人の姿もそれほど見られない神社や、
あまり知られていないアニメの舞台になった場所など。
宿泊者の総数は、中国をはじめとするアジア系の方々が圧倒的だが、渋いところにいるのは欧米の方々に多いように思える。

一方、受け入れ態勢は、とても万全とは言えず、外国語の案内も宿泊施設も不足しているのが現状である。
特に地方は、外国人の受け入れなどこれまで全く念頭になかったところも少なくないだろうから、それもやむをえない。
しかし、あまり焦ることはないのかも知れない。
バブル期のリゾートブームのように、目先の客だけを見て施設建設にひた走ってしまうと、後にツケを残しかねない。
だが、お迎えする気持ちと覚悟はきちんと整えておきたいものである。
気持ちがあれば、言葉の壁も何とか乗り越えられる。

去年と同じペースで増えたら、今年の延べ宿泊者は1億人に届く。
一時はお先真っ暗だった観光業の風景も、どんどん変わっていきそうだ。

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入浴施設への「タトゥーお断り」の今後 [お役所内案内士]

現在、Yahoo!の意識調査で、
「タトゥーをした人の温泉施設などの利用をどう考える?」
というテーマが取り上げられている。
調査はまだ始まったばかりだが、かなりの投票が集まっており、注目度の高さがうかがえる。
現段階では、
「全面的に禁止するべき」が40%
「シールなどで隠れる程度のサイズであれば認めるべき」が33%
「タトゥーの大きさを問わず認めるべき」が21%
と割れているが、容認派がやや上回っているようだ。

タトゥーの入浴が取り上げられているのは、もちろん、訪日外国人の増加による。
日本でタトゥー、刺青と言えば、ファッションで入れている人もいるとわかっているが、一般的には反社会的なイメージである。
しかし、外国人にとってのタトゥーはもっと身近なものであり、ごく普通の人も何気なく入れていたりする。
こうした人の入浴を排除するのは、どんなものだろうと考えてしまう。

外国人観光客が日本に期待するものは種々あるだろうが、
「温泉」
というのも大きな要素を占めている。
また、
「銭湯」
もかなりの人気らしい。
そうしたものを目指して、高いお金を費やしてはるばる海を渡ってやってきたのに、入浴お断りでは、かなり凹むだろう。
日本での残念な思い出になることは間違いない。

一方、外国人だけはOKとすると、それはそれで混乱が生じかねない。
だから、この問題は簡単ではない。

これだけ外国人観光客が増え、日本での入浴を楽しみにしている人も多くなっている状況からすれば、解禁の方向に向かう流れが自然だろうとは思う。
観光地のみOKとするといった形であろうか。
なんとか現場が混乱しないような方策があればいいのだが。

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通訳案内士とは [お役所内案内士]

「通訳案内士」という資格をご存じだろうか。
外国語に関する唯一の国家資格なのだが、その知名度は、
TOEICや
英検やら
に大きく劣っているのではないだろうか。
残念ながら。

どんな資格なのか、例によってWikipediaが簡潔にまとめてくれているので引用させていただく。

「通訳案内士(つうやくあんないし、英語: Licenced guide)とは、観光庁長官が実施する国家試験「通訳案内士試験」に合格して、通訳案内士として登録した者のみが従事でき(業務独占)、観光客に対して外国語通訳及び観光案内を行って報酬を得る職業。外国観光客相手のプロの観光ガイドのこと。」

通訳案内士法という法律があり、
報酬を受けて外国人に付き添い、外国語を用いて旅行に関する案内をする業を営もうとする者は、通訳案内士試験に合格し、都道府県知事の登録を受ける必要がある、
と規定されているのである。
お金をいただいて外国人に外国語で案内できるのは、通訳案内士だけということになる。

政府観光局のホームページでは、通訳案内士について、こんなことが書かれている。

「通訳案内士(通訳ガイド)は、単に語学力が優秀であるだけでなく、日本の地理、日本の歴史、さらに産業、経済、政治および文化といった分野に至る幅広い知識、教養を持って日本を紹介するという重要な役割を負っています。外国人旅行者に日本の良い印象を持って帰ってもらうことは、正しい日本理解の第一歩となり、通訳案内士(通訳ガイド)の仕事は、“民間外交官”とも言える国際親善の一翼を担うやりがいのある仕事です。」

語学力が優秀であることが“前提条件”とされていて、さらに幅広い知識や教養が求められるとの内容である。
うっかり受かってしまったような私には、ちょっと責任が重すぎるが、まぐれでもなんでもせっかく受からせていただいたからには、恥じないようにしっかり務めたい。
そう思わせてくれるのも、資格取得のよい面であろう。

ただし、通訳案内士資格を巡る環境は平穏ではない。
むしろ、課題は山積といったところか。

まず、外国人観光客の急増に伴って案内士のニーズも激増しているが、数的にとても間に合っている状況ではない。
だからといって、通訳案内士の有資格者が引っ張りだこかというとそうでもなく、多くの人が資格を眠らせてしまっている。
また、中国人・韓国人といったアジアからの観光客が増えているなか、英語の通訳案内士ばかりが増えてしまっているという現実もある。

こうした状況を受け、政府が有料での観光ガイドについての規制を緩和する方針を打ち出した。
つまり、国家資格がなくても外国人へのガイドが可能とするというのである。

受かったばかりの身としては、ちょっと待ってよ、と言いたくなるような方針である。
地方公務員である私の場合、資格を取ったからといって業として案内士を始める予定はないが、それにしても業務独占がなくなるのはちょっと寂しい。
もちろん、資格の意義は残るだろうけれど。

通訳案内士のあり方については、今後も議論が進められる見込みである。
これについては、旅行者の目線や、日本の迎え方としてどうあるべきかという見地から考えるべきであり、旅行業者の都合ばかりが優先されないことはお願いしたい。

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インバウンドは絶好調が続く [お役所内案内士]

日本政府観光局(JNTO)が発表した1月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比52.0%増の185万1800人だった。
昨年の訪日外国人が過去最高だったうえに、このところの世界的に経済が不安定になってきていることから、伸びは鈍化するのではないかと考えていたが、全くそんなことはなかった。
この数字は、1月としては過去最高。
年間を通して見ても、昨年7月(約191万8000人)に次ぎ過去2番目の高水準だったという。
どうやら、インバウンドの勢いは当分続きそうだ。

国・地域別では韓国が最も多かったようだ。
前年度比43.8%増の51万4900人となり、単月での過去最高を記録したという。
2番目に多かったのは中国で、こちらは前年比2.1倍の47万5000人。
台湾(47.9%増の32万1000人)、香港(42.5%増の12万5000人)が続き、オーストラリアからの訪日客数も単月の最高を記録したようだ。
もちろん円安の恩恵が大きいし、原油の値下がりにより航空料金が安くなっていることも追い風になっているが、それだけではなく、旅行先としての日本が完全に定着したと言えそうだ。

ただ、受け入れ態勢が万全かというと全くそうは言えない。
デパートなどは、売り場の拡張を進めており、需要を積極的に取り入れているが、バス不足、駐車場不足、宿泊先不足など、インバウンドを受け入れるインフラには不備が多い。
看板や案内の多国語対応も十分ではないし、言葉の壁は厳然としてある。
このあたりは、インバウンドを進めて行くのなら、官民を挙げて克服していかなければならない。

また、インバウンドが増えていると言うが、その大部分はアジアの国々からのお客様であり、地域の片寄りが過ぎると、なんらかのショックにより急激に減少してしまう恐れがある。
アジアを大切にしつつ、欧米からのお客様についても同様に増やしていきたいものである。

個人消費が伸び悩む中、インバウンドにかかる期待は大きい。
二度、三度日本に来てもらえるよう、また口コミで日本の良さが広まるよう、素敵な思い出を持ってお帰りくださることを祈る。

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ゆるキャラもここまでくれば ~インバウンドで伸びる熊本~ [お役所内案内士]

先日、ちょっとした集まりがあり、何人かの人に、2015年のゆるキャラグランプリの優勝者について知っているか聞いてみた。
すると、
「え、ゆるキャラグランプリってっまだ続いていたの?」
「くまもんか、ふなっしーじゃないの」
といった反応だった。
もちろん、優勝は「出世大名家康くん」なのだが、その名前を告げてもほとんどの人がピンと来ていない様子だった。

こうしたリアクションでわかるように、ゆるキャラブームも少しずつ沈静化してきている。
ゆるキャラグランプリも、初代の「ひこにゃん」、二代目の「くまもん」は超強力だが、3回目以降の優勝者を言えるのは、かなりの通である。
2015年の2位、3位のみきゃん、ふっかちゃんは、いずれもグランプリからの撤退を表明している。
取り残されてはならじとゆるキャラを作ったはいいが、人気も知名度も伸びず、さてどうしたものか、頭をひねっている自治体も多いだろう。

さて、総合オンライン旅行会社エクスペディアが、海外から見た日本というインバウンドの視点から、人気の旅行先及び人気の都市を発表した。
それによると人気の都市は、東京、大阪、京都、沖縄の順である。
さらに、地方都市における訪日客伸び率ランキングも併せて公表されていたのだが、こちらの1位は熊本だった。

なんでも、熊本人気を支えているのは、香港からの観光客らしい。
ではなぜ香港で熊本が人気かというと、香港でくまもんが大人気であることが原因らしい。
つまり、くまもんがインバウンド客の増加に、大きな役割を果たしていることになる。
ここまでの存在になれば、ゆるキャラ冥利に尽きると言っていいだろう。

くまもんの領域まではなかなか難しくとも、ただグランプリで上位に入ればいいというのでは、その先が全く見えてこない。
ブームが一段落した今だからこそ、ゆるキャラのあるべき姿についてよく考えてみたい。
地道に、かつ戦略的に。
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