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通訳案内士口述試験まであと2週間 この時期にやるべきこと その1 [お役所内案内士]

平成28年度通訳案内士試験の筆記試験の合格者が発表された。

合格された皆さん、本当におめでとうございます。
口述試験、頑張ってください。

通訳案内士の試験は、「運」の要素は非常に強いものと感じています。
残念ながら不合格となったみなさんは、今年は運が向いていなかったのだと思います。
捲土重来を期待しています。

さて、合格された方は、12月4日(日)に行われる口述試験への準備を進められていることと思う。
口述試験の合格率は、例年70%前後。
一次試験より受かりやすいのは確かだが、確実に受かると言えるような合格率でもない。
ここまで来て落ちたら悔しいので、しっかり準備したいところである。
一次試験で落ちたと思っていたので、何もやっていなかったという方もおられるだろう。
心配ご無用、そういう方はいくらでもおられる。
まだ十分に間に合う。

「通訳案内士試験ガイドライン」によれば、口述試験は、

「総合的な外国語の能力並びに日本地理、日本歴史及び一般常識に係る正確な知識を活用して行われる、通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図るための実践的な能力について判定するものとする」
とされている。
『実践的な能力』という部分がポイントであろう。
外国語が話せるのはもちろん必須だが、それがガイドとして実践的なものになっていなければならないということである。
そして

「試験は、日本の観光地等に関連する地理、歴史並びに産業、経済、政治及び文化についての主要な事柄のうち、外国人観光旅客の関心の強いものを題材として、受験者に通訳案内の業務を擬似的に行わせることにより実施するものとする。
試験時間は、10 分程度とする。」

とされている。 『外国人観光旅客の関心の強いものを題材』となっているので、そこに絞って準備をする必要がある。
ただし、これだけでは幅が広過ぎるから、すべてをカバーすることはできない。
すべては無理と理解したうえで、できる範囲の準備を行うべきである。

さて、これからの2週間で何をすればいいか。
実際のところ、2週間くらいでは英語力は大して向上しない。
もちろん、二次は口述だから話す練習をするのは必須だが、これから試験までの間に、英語力を高めようとしてもあまり意味はない。
それよりも、どんなシチュエーションでどんな質問が想定されて、どう返せば喜ばれるかと考えるべきだろう。

試験の進め方については、経験者の話を聞いたり読んだりするのが一番である。
これについては、CEL英語ソリューションズさんが、「2次試験レポート」をHPにアップされている。
これは実に助かるサイトであり、ぜひお読みになることをお勧めしたい。
http://www.cel-eigo.com/exam/guide_interview/index.html

また、PEP English School が「二次口述面接の再現動画」をYouTubeに公開されている。
不思議な雰囲気のある動画だが、雰囲気を知るには役に立つ。
https://www.youtube.com/watch?v=QallL6hpZp0

そのほかにも、いくつかのサイトで案内士の口述試験が再現されている。
勝手がわからず、面食らってあわあわしている間に終わってしまってはもったいない。
まずは、どんな試験内容なのか、しっかりおさらいし、頭の中で予行演習をしておこう。
それが準備の第一歩である。
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「通訳案内士」有資格者としては踏んだり蹴ったり [お役所内案内士]

これまでの「通訳案内士」制度下においては、
観光庁が主催する試験に合格し、
都道府県知事の認可を受けた人だけが通訳案内士を名乗り、
訪日外国人旅行者に対して有償で案内業務をおこなってきた。
つまり、通訳案内士以外の人は、有償では外国人観光客をガイドできなかったのである。

そのため、きちんと資格を持って外国人観光客をもてなしたい人、語学力を生業に活かしたい人などが、通訳案内士試験に挑戦してきた。
通訳案内士資格を取得したところで、一定の収入が保証されるわけでもなんでもないことは百も承知の上で、コツコツと勉強を積み重ね、試験に臨まれてきたのだと思う。

しかし、政府は、訪日外国人旅行者が急増している状況から、案内士だけでは対応が難しくなると考えた。
そこで、案内士の業務独占を廃止し、無資格者でも有償ガイドを行えるよう制度を変える方向で準備が進められている。
通訳案内士の有資格者としては、試験にかけた苦労が水の泡になってしまった感を持つ方が多いだろう。
また、ずっと案内士としてガイドをされてきた方としては、誰でもできると言われてしまうと、それでガイドと言えるのだろうかと、疑問も持たれているだろう。
それでも、訪日外国人観光客を2,000万人から4,000万人に増やそうとしているなかでは、やむを得ない措置なのかとあきらめようとしてきた。

だが、既存有資格者の受難はそれだけではない。
「通訳案内士」に更新制が導入され、更新時に研修を受けるよう義務付けられるというのだ。
正直なところ、更新制がないことはこの資格の魅力の一つであり、それもあって試験を受けた人もおられると思うが、それももうすぐ終わるようだ。
更新時には、研修を受けたりする必要があるようだが、きっと受講料や更新手数料が必要となるのだろう。

無資格でガイドを始める人には、当然更新制などない。
更新すべき資格がないのだから当然である。
つまり、
資格がなくても有償で外国人観光客のガイドができ、
無資格でガイドされる方たちには能力の証明などは全く求められない一方、
資格を持っている人はお金と時間をかけて一定期間ごとに資格を更新しなければならない、
という制度になるというのである。
こうなるとさすがに、通訳案内士資格ってなんなんだ、という気がしてしまう。

それでも、しっかり国からのお墨付きをもらってガイドをしたいから、資格を取得したいと考える人も少なくないだろう。
そして、折角取得した資格であるから、更新していこうと考える方も少なくないだろう。
それが自然な感情だとは思うが、割り切れない感情は残るはずだ。
「私は、なんのために、資格にこだわっているのかしらん」と。

外国人観光客のさらなる増加が見込まれるなか、時代の変化に合わせて通訳案内士資格についても見直しを進めていく必要があるのは確かである。
しかし、今回の見直しの内容が、既存の有資格者にとっては踏んだり蹴ったりであることも確かである。

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通訳案内士筆記試験まであと3週間 この時期にやるべきこと [お役所内案内士]

平成28年度の通訳案内士試験筆記試験が、8月21日(日)に行われる。
残された時間はあと3週間。
この時期にやっておくべきと思われることをおさらいしてみよう。

試験科目は、外国語、日本地理、日本歴史、一般常識の4つ。

案内士試験であるだけに、外国語がメインであるように思いがちだが、案外ここでは差がつかないのではないかと考える。
また、いくらシャカリキになったところで、1月足らずの間に語学力が飛躍的に向上するはずもない。
これからやるべきことは、
英語の新聞記事やWebサイトなどで長文を読むことに慣れておくこと、
観光地や日本の習慣を英語で何というかおさらいしておくこと、
くらいであろう。
とにかく、TOEICや英検の試験とはまるで違うことを忘れてはならない。
日本をどう伝えるか、ということに特化した学習をしたい。

日本地理については、ジオパークと世界遺産の復習が欠かせない。
もちろん地理の全般的な学習も必要であるが、出題確率という点では、この2つが突出していると言っていいのではないか。
その他、観光地や祭りについてもマークが必要である。
受験の地理ではなく、あくまでも旅行案内であることが前提である。

日本歴史についても、案内士的歴史であることを頭においておこう。
外国から来られたお客様を案内する際の知識として知っておくべき歴史という観点が大切である。
その意味では、地理と共通するが、世界遺産絡みの歴史は外せない。
また、観光地や祭りに関連した歴史にもマークが必要である。
歴史の細かいところを、今から勉強しなおすにも無理があるだろうから、ある程度照準を絞って勉強したい。

一般常識については、何をどう勉強すればいいかわからないという人も多いと思う。
幅が広すぎて、手の付けようがない感じではないだろうか。
過去問を見ても、設問の難易度にぶれがあり過ぎる。
時事ネタと観光白書からの出題は必ずあるだろうから、ここに絞るのが得策かもしれない。
時事ネタでは、伊勢志摩サミット、民泊、ル・コルビュジエは外せない。
観光白書では、外国人観光客の傾向は当然押さえておく必要がある。
インバウンドを増やすための政府の施策も要チェックである。
○○周年行事や○○記念イベントとして話題になったものや、賞を受けたものなどは調べておきたい。

試験直前となると、
「今からジタバタしても始まらない」
などというアドバイスがなされることが多い。
しかし、あと3週間あれば、十分ジタバタできる。
むしろ、ここからが勝負であろう。
あきらめた人が脱落し、粘った人が残る。
どんな試験でも同じである。

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「爆買い」から観光へのシフトは自然 ~上半期の訪日外国人はまたも過去最高~ [お役所内案内士]

日本政府観光局の発表によれば、今年上半期(1~6月)の訪日外国人数(推計値)は、前年同期比28.2%増の1171万3800人となり、過去最高を更新した。
プラスとなるのは5年連続で、半年間で1000万人を超えたのは初めて。
この期間、熊本の地震や円高など、インバウンドには逆風が吹いたのだが、それでもこの伸び。
日本への観光熱は、いよいよ本物である。

一方、1人当たりの消費額は前年同期を下回ったのだそうだ。
特に、中国人旅行者による「爆買い」の勢いには陰りが出始めた。
それでも、中国人旅行者1人当たりの支出額は約22万円だったそうだが、ピーク時にはこれが30万を超えていたというから、かなりの落ち込み幅である。

爆買いが収まってしまうことは、デパートや電気店など、中国人を当て込んだ業種には痛手かもしれないが、この流れは自然であると思う。
わざわざよその国に来て、わき目も振らずにガバガバと買い物ばかりというのでは、かえって疲れてしまう。
お金を使ってくださるのは、正直なところありがたいが、これに頼りきりになるのも変な話である。
訪日観光客が増え、買い物だけではない日本の魅力を発見していただき、ゆっくり観光を楽しんでいただければ、それの方がいい。

これからは、日本への旅行も2回目、3回目という方も増えてくるだろう。
そのときに、都内での買い物以外の価値を提供したい。
そして、ファンになっていただき、さらなる来日につなげたい。
東京、京都、大阪といったゴールデン・ルート以外にも、訪日観光客の足を向かわせたい。

この調子でいくと、今年の観光客数は軽く2000万人を突破しそうである。
多くの目標が未達で終わっている安倍政権の経済政策の中で、これは特筆すべき成果である。
しかし、ここがゴールではない。
4000万人、5000万人に向けて、各地の知恵が試される。

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通訳案内士試験勉強法 その4 一般常識(参考サイト&書籍編) [お役所内案内士]

6月10日付で、通訳案内士試験中、一般常識の試験傾向について書いた。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-06-10
今回は、一般常識の勉強のために、私が参考にした書籍やウェブサイトについて書いてみたい。

「通訳案内士試験ガイドライン」において、一般常識に関する問題は、
「筆記試験時に最新の『観光白書』や新聞(一般紙)に掲載された時事問題をベースに出題する」
と明記されている。
こう書かれている以上、「観光白書」は必読であろう。
観光白書は、ネットでも見ることができるが、できれば手元に置いて随時眺めておきたい。
試験に出る出ないにかかわらず、通訳案内士として参考になる内容となっている。
http://www.mlit.go.jp/statistics/file000008.html

新聞には、毎日目を通しておきたい。
ニュースはネットで見れば十分という人も多いだろうし、新聞を購読していないという人も増えているという。
「観光」や「通訳」などで検索した方が効率的という考え方もあるが、知識は周辺の項目を含めて積み重ねていくべきものではないかと思う。
その点、新聞はその日その日のニュースを伝えることと合わせて、取材を積み重ねた特集記事やこぼれ話的な読み物もある。
今からではちょっと遅いかもしれないが、紙の新聞の購読をお勧めしたい。

資格試験においては、過去問をばっちりやっておくのが基本であるが、案内士試験においては、他の科目と同様一般常識についても年によって出題に大きなばらつきがあるため、あまりそれまでの出題が生きてこない。
そのため、案内士試験に特化した本より、全般的な知識が得られる本を読んだ方がいいように思う。
私は、有名な観光地のガイドや日本の祭りを特集したムック本などを読んだが、
「なるほど知図帳 日本」
は、歴史・風習、旅、交通、スポーツ、文化などのニュースを網羅しているとのことであり、重宝された受験生もおられるようなので、チェックしてはどうだろう。

見ておくべきウェブサイトとしては、まず観光庁のHPが挙げられる。
情報満載であるものの、官公庁のサイトにありがちなことであるが、あまり見やすくなく面白味もないのが残念であるが。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/

通訳案内士向けポータルサイトである「やまとごころ」では、最新のニュースに触れることができ、今の動きがわかる。
ただし、実践的過ぎるため、試験対策として機能するかどうかはなんとも言えない。
http://www.yamatogokoro.jp/tsuyaku_guide/

英語の勉強と一石二鳥で進められるという点では、英語で日本を紹介している本を繰り返し読むのが最良の方法かもしれない。
この類の本はいろいろ出版されているから、本屋でパラパラと眺め、自分に合っているものを選ばれればいいと思う。
例えば、
「毎日の日本 英語で話す! まるごとJAPAN」
「英語で発信する 日本小事典」
「英語で日本紹介ハンドブック」
などである。

一般常識に関しては、試験対策として一気に頭に詰め込むのではなく、日々コツコツ身に着けていくべきものであろう。
新聞のチェックをこまめに行うとともに、日本の文化に関心を持つことが大切であると思う。

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通訳案内士試験勉強法 その4 一般常識(試験傾向編) [お役所内案内士]

平成28年4月に改定された「通訳案内士試験ガイドライン」によれば、「一般常識」についての試験は次のような内容とされている。

・試験は、現代の日本の産業、経済、政治及び文化についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む。)のうち、外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を問うものとする。
・内容は、筆記試験時に最新の「観光白書」や新聞(一般紙)に掲載された時事問題をベースに出題する。

私は本が好きで、人並みよりはかなり読んでいる方だと思うし、新聞も日経に加え、スポーツ新聞まで、ひととおりは読んでいる。
ブログを更新するために、毎日ネット上でのニュースもさらっている。
だから、他の科目はともかく、一般常識はなんとかなるのではないかと思っていたのだが、まったく甘かった。
「外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識」と書いてあるが、実際には基礎的とは思えない内容が出題され、試験はお手上げ状態だった。
マークシートなので、運よく正解という問題が多くあったのだろうが、自信を持っての解答は少なかったように記憶している。

考えてみれば、「一般常識」のくくりは人それぞれであり、どんな内容がどんな難易度で出題されるのか、予想するのは難しい。
その点、地理や歴史以上に対策が立てにくいといえるかもしれない。
ただ、ガイドラインに、「観光白書」や新聞(一般紙)に掲載された時事問題をベースに、と書かれており、ここに焦点を絞るのが得策だと思う。
広げてもキリがない。

出題傾向をざっと眺めてみると、
外国人観光客の傾向(国別内訳、年度推移など)は必出であろう。
外国人に人気のスポットも調べておきたい。
また、飛行機や鉄道など、交通に関するニュースも知っておく必要がある。
歴史や文化に関する一般常識は幅が広過ぎ、うかつに手を出すと迷宮入りしてしまうが、○○周年として話題になったものや、賞を受けたものなどは要チェックである。
各地の有名なお祭りや、近年話題のイベントについても知っておこう。

日本の伝統についても、試験に出るかどうかはさておき、通訳案内士として活動するのならひととおり知っておかなければならないことである。
「着物」「酒」「茶」「歌舞伎」などについては、深く入り込むのは大変としても、常識的なところはさらっておくべきであろう。

また、一般常識という科目であるため当然であるが、時事ネタは欠かせない。
2016年であれば、伊勢志摩サミット、民泊、ル・コルビュジエあたりは押さえておきたい。
あまり文化や伝統に深入りするよりは、ニュースに敏感になっておくほうが得策ではないかと思う。

出題を見ると決して浅いものばかりではないが、勉強法としては「広く浅く」で対応すべきであろう。
過去問を見て、「こんなに深い知識まで持っておかなければならないのか」と感じてしまい、それに対応しようとすると、深みにはまる。
難問はあきらめ、診断士であれば知っておくべきと思える常識、に的を絞れば十分であると思う。

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通訳案内士試験勉強法 その3 日本歴史(参考サイト&書籍編) [お役所内案内士]

5月14日付で、通訳案内士試験中、日本歴史の試験傾向について書いた。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
今回は、私が参考にした書籍やウェブサイトについて書いてみたい。

歴史についての勉強は幅が広い。
そして、奥がどこまでも深い。
とてもではないが、ここに真正面から飛び込んで行って、すべてをやっつけることは難しい。
だから、ある程度的を絞った勉強が必要となる。

とは言いながら、試験に臨む以上、歴史の流れはおさらいしておきたい。
その意味では
「山川の日本史」
を読み返すのが一番だとは思う。
しかし、評判のいい山川版とは言っても、教科書を読むのはあまり面白い体験ではない。
そこでお勧めするのは、漫画である。
漫画なら、すらすら読める。
ただ、日本史を勉強するための漫画は数多く出版されているが、10巻以上のものとなると、それはそれで骨となる。
私は、
三笠書房の「マンガ 日本の歴史がわかる本」
を読んだ。
これなら、3冊で一応全体が眺められる。
そのほか、漫画ではないが
「読むだけですっきりわかる日本史」
「おさらい3時間!日本史のイロハ」
「オールカラーでわかりやすい日本史」
など、一冊で歴史をさらっている本を覚えようと思わずに読んで、記憶の掘り起こしに努めた。

通訳案内士では、文化史に関する問題が多いので、
「超速!最新日本文化史の流れ」
を勧められる方が多いようだ。
また、写真や資料が出題されることに備えて、
「山川 詳説日本史図録」
も定番となっている。
私は、たまたま古本屋で見つけた大学受験の参考書である
Z会の「攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦」
も読んだ。
しかし、文化史は覚えるのが骨だし、去年の出題傾向からすれば、それほどこちらに深入りする必要はないようにも思う。
特に、どの仏像が誰の作で、どこの社寺にあるなどというあたりに、あまりこだわらなくてもいいのではないだろうか。
むしろ、Wikipediaで「日本の世界遺産」を開き、そこからいろいろ辿って行った方が効率的かも知れない。

歴史は、やりだすとキリがない。
かと言ってあきらめるわけにはいかないので、あまり試験対策ととらえずに、楽しみながら進めて行く方がいいのではないだろうか。
ムック本で、
「日本の世界遺産」
「日本の名城」
「日本の国宝」
といったものを購入し、ビジュアルを堪能しつつ、いつの間にか知識もたまっていくというやり方をお勧めしたい。
私は、コンビニに置いてあった
「お寺に代々伝わる日本の国宝」
を買って読んだりしたが、覚えようとせず仏像の美しさやその由来などを楽しむように努めた。

過去問を見ると、歴史はちょっと大変だなあと感じられる方もおられるかもしれない。
しかし、難問の類は、きっと誰もできない。
だから、そこはすっぱりと割り切って、歴史に関する全般的な知識を伸ばしていくのが得策である。
覚えることに拘泥しなければ、歴史に関する読み物は楽しいものだし。

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実態はあまり変わらないと思うものの複雑な心境はあり ~通訳案内にかかる規制緩和の方針~ [お役所内案内士]

5月17日付日本経済新聞の1面は、
「人手不足で規制緩和 保育士比率下げ・ガイド通訳資格不要」
との見出しだった。
通訳案内士としては、ピクッと反応してしまった。

リード部分には、
・政府が実態に合わなくなった規制の緩和に動くこと。
・人手不足が日本経済の成長を妨げないように、人材確保に本腰を入れること。
・規制改革会議で方針を示すこと。
などが書かれていた。

通訳ガイドの規制緩和については、ここのところずっと議論されてきたことであり、今回の報道に関する驚きはない。
日経の1面に取り上げられるほどのインパクトがあることなのだ、ということにはちょっとびっくりしたが。

規制緩和の内容は、
「現在、報酬を得る観光案内の通訳は『通訳案内士』の資格を持つ人に限っているが、それを資格がなくても観光ガイドとして報酬を得られるようにする。」
というものである。
なぜそんなことをするかというと、政府目標では訪日外国人客を2020年までに今の2倍の4000万人に増やすこととなっているに関わらず、通訳案内士の数は約1万9000人にとどまり、訪日客のニーズに応えきれていないとの指摘が多いからということらしい。

ふむ。
一読すると、「そりゃそうだな」と思うが、よく考えるといろいろ気になる内容である。
現在はどのように運用されているのだろうか。
本当に、有資格者しか報酬を得ていないのだろうか。
資格がなくてもいいとなったら、有資格者(私も端くれなのだが)はどういう扱いになるのだろうか。
増やすべきは英語の通訳者より、中国語や韓国語だと思われるが、その対応はどうするのだろうか。
そもそも、外国人観光客中、通訳を必要とされる方がどのくらいおられるのだろうか。
などなど。

正直なところ、規制が緩和されても、大きな混乱はないと思う。
生業として、有償でガイドをしている方はそれほど多くないし、旅行会社の対応もこれで大きく変わるとも思えないからである。
ただ、頑張って通訳案内士の資格を取った人、国家認定資格の通訳案内士として誇りを持ってガイドを務めてきた人などにとっては、納得できない人もおられるだろう。

通訳案内士としては、さすがに有資格者は違う、と言われるようなガイドを続けていくしかない。
資格がない人でも有償でガイドができるが、どうせお金を払うならやはり有資格者に頼みたい、と思ってもらえるようなガイドをしていくしかない。
そのためにも、精進精進、である。

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通訳案内士試験勉強法 その3 日本歴史(試験傾向編) [お役所内案内士]

平成28年4月に改定された「通訳案内士試験ガイドライン」によれば、「日本地理」についての試験は次のような内容とされている。

・試験は、日本の観光地等に関連する日本歴史についての主要な事柄(日本と世界との
関わりを含む。)のうち、外国人観光旅客の関心の強いものについての基礎的な知識を
問うものとする。
・内容は、地図や写真を使った問題を中心としたものとする。

「外国人観光旅客の関心の強いものについて」
と限定されているのがポイントである。
また、
「日本の観光地等に関連する日本歴史」
「日本と世界との関わり」
とも書かれている。
つまり、ガイドと結びつかないような内容は、問題としては想定されにくいということである。
歴史というと途方もなく幅広いが、ある程度は絞れる。
ただし、基礎的な知識、であるかどうかは疑問である。
27年度においても、
「厳島神社で舞楽が演じられる舞台は何か?」
といった、恥ずかしながら「へ?」と思ってしまうような問題がいくつかあった。

とはいっても、国が認めたガイドという立場からすれば、日本の歴史についてある程度以上の知識を持ち、外国人に伝えなければならないのは当然であろう。
日本代表として外国の方に接するのだから、それなりに勉強するのは当然である。
だから、「これが基礎的な知識なのか」と不平をこぼしていても始まらない。

平成27年度試験においては大問は3つだった。
1問目が、世界遺産に絡めた歴史
2問目が、観光地に絡めた歴史
3問目が、世界との関わりに関する歴史
である。
歴史全般というより、ガイドに特化した内容であった。
それまでの年とはガラッと傾向が変わり、地図を使った問題が出題されず、文化史に関する問題もぐっと少なくなった。

世界遺産は、今後も重要なポイントであり続けるだろう。
27年度に出題されなかった平泉や明治の産業革命遺産などは、早晩出題される可能性が濃厚である。
世界遺産は地理の分野でも重要なので、しっかり押さえておきたい。

観光地に関する問題では、外国人に人気のスポットであり、歴史的な価値が高いところに注意である。
例えば、長崎や北九州、鎌倉などに注意したい。
長崎であれば鎖国関連、北九州であれば八幡製鉄所や幕末、鎌倉であれば元寇など、併せて調べておくべきだろう。

世界との関わりの部分については、全体をざっと洗っておきたい。
27年度は広い時代にわたって問われたので、近世だけに絞ることはできなさそうだが、広く浅くで対応できるのではないだろうか。

日本歴史の分野は、とにかく、ガイドの実践に使われそうな観光地とそこに関わる歴史をチェックするべきである。
また、細かい人名や年号ではなく、時代の流れをざっくり押さえておきたい。
世界史とも連携させながら時代感覚をつかむ必要がある。

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通訳案内士試験勉強法 その2 日本地理(参考サイト&書籍編) [お役所内案内士]

5月10日付で、通訳案内士試験中、日本地理の全体像について書いた。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-05-10
今回は、私が参考にしたウェブサイトや書籍について書いてみたい。

まず、案内士における地理の試験は、高校・大学受験のそれとは違うことをしっかり念頭に置く必要がある。
地理全般に関する知識もさることながら、
「外国人にとっての日本の観光地とは」
「案内士にとって必要な情報は」
という観点で、勉強を進めて行くべきであり、地理のマニアックな知識に走ってはいけない。
その意味で、外国人に人気の観光地を知っておくことは必須だと思う。
『外国人 人気 観光地』
などで検索すればいろいろなサイトが出てくる。
これらは複数閲覧して、人気の傾向をつかむとともに、位置関係やそれぞれの概要をつかんでおきたいところである。
※例えばこちら
http://tg.tripadvisor.jp/news/ranking/inboundattraction_2015/
http://find-travel.jp/article/35773

出題される可能性が高いという点では、世界遺産とジオパークを外せない。
世界遺産については、Wikipedeaがわかりやすい。
数がべらぼうに多いわけではなく、出題確率も高い項目であるため、個々の世界遺産については、一通り知識を仕入れておきたい。
http://u0u0.net/tMc4

ジオパークについては、「日本ジオパークネットワーク」のサイトを見るのが最適である。
ジオパークとは何かから、世界ジオパーク及び日本ジオパークを網羅している。
世界ジオパークはともかく、日本ジオパークにまで手を広げると、数も多く少し厄介ではあるが、少なくとも位置関係や特徴などは、ざっと把握しておきたい。
http://www.geopark.jp/index.html

地図記号については、クイズ形式のサイトがたくさんあるので、楽しみながら勉強できる。
しかし、27年度に出題がなかったことから、あまり根を詰めることはないかも知れない。
例えば以下のサイトなどで、隙間時間でちょこっとやってはどうだろう。
http://www.benricho.org/map-sign-chizukigou/quiz.html

続いて参考書籍について。

まずは、過去問に当たるということになると思う。
ネットでも見ることができるが、手元にあった方がいい。
出題傾向がぶれている感があるので、あまり過去問に縛られ過ぎるのもよくないが、的外れな勉強にしないためにも、やはり押さえておきたい。
「通訳ガイド地理・歴史・一般常識 過去問解説 平成27年度問題収録」 法学書院

対策本も出ているが、少なくとも傾向が変わった27年度はあまり役に立たなかった。
改訂されているようなので、対応されているとは思うが、頼り切りは禁物だろう。

多くの受験生の方々が活用されているらしいのが、
成美堂出版の「脳を活性化させる地図ドリル」。
書き込み式になっていて、楽しみながら地理を学べる。
繰り返しやって損はないと思うが、ガイドに特化した出題には対応できない。

ジオパークについては、ネットでももちろんみられるが、写真が盛りだくさんに掲載されている書籍で感じをつかみたい。
マイナビ「全国ジオパーク完全ガイド」
などがいいと思う。
ただし、ジオパークとして指定されている地域が増減している可能性があるので、ネットで最新情報と照らし合わせる必要がある。

楽しみながら、という点では、
宝島社の「日本の祭り100選」
といったムック本がお勧めである。
ほかにも、コンビニなどで旅関係のムック本が目につけば、手にとってはいかがだろうか。

基礎を再確認するためには、
宝島社の「読むだけですっきりわかる日本地理」
ナツメ社の「図解雑学 日本の地理」
などを読んだ。

案内士試験では、満点を目指す必要はない。
予想が出来ない難問ははじめから気にせず、取れる問題を取っていくべきである。
そのためには、地理の基礎を固めておく必要がある。
また、祭りやイベント、B級グルメやゆるキャラなどの地域おこし系のニュースに敏感になっておきたいものである。

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