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国民一人当たり678万円の借金って、誰に借りてるの? ~この表現でいいのかしらん~ [公会計]

財務省が、国の9月末時点での債務残高を発表した。
それによると、国債や借入金などの合計が約865兆であり、過去最大を更新したとのことである。債務が膨張している状況は誰の目にも明らかであり、驚きはまったくない。

このことを伝える新聞の論調をネットで見ると、「国民1人当たり約678万円の借金」ということにフォーカスしているようだ。
産経新聞では、「赤ちゃんにも678万円!」と見出しをつけて、危機感をあおっている。

確かに、865兆円を人口で割れば、一人当たりの債務残高は出る。その意味で、この表現に間違いはない。
しかし、誰が誰に借りているのか、ということは考える必要がある。

日本国債の買い手は、ほとんどが日本人である。
「いや、俺買ったことないよ」という人ばかりだろうが、銀行や年金が所有しているということは、間接的にではあるが、個人が所有していることになる。
つまり、「国」にとっては借金であっても、買い手となっている「国民」にとっては資産であるということである。
国民一人ひとりが700万円近い借金を背負っていると考えると、「こりゃ大変だ」となるが、生まれながらにして700万円の資産を持っていると考えることも出来るのである。

私は、現在の野放図な債務の拡大には大きな危機感を抱いているが、国債の増発が何を意味し、将来的に何を招く恐れがあるのか、といったことについては、事実を共有する必要があると思う。
いくらでも国債を発行すればいい、というのも楽天的過ぎるが、いたずらに危機をあおるのも間違いであろう。
将来展望と経済運営を見通した財政論議が求められる。
消費税封印、というのも政治的手法としてはわかるが、議論の手足を縛ってしまうのは、本来あまりよろしくはないだろう。
タグ:国債 破綻
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