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フィンランドの人たちは消費税率を知らなかった [経済を眺める楽しみ]

先日、BS-TBSでフィンランドの簡単な特集をやっていた。
これがなかなか興味深かった。

北欧はどこもそうだが、フィンランドも福祉国家として有名である。
そして、高福祉を維持するためには、当然高負担も求められる。
フィンランドでは、消費税率が23%に達している。
さぞや重税感にさいなまれているだろうと思いきや、国民の税への関心はそれほど高くないようだ。
少なくともテレビで映されていた人たちは、
「え、この品物を買うのに払った消費税?さあ、いくらかしら」
「まあ、結構高いんだと思うけど、どれくらかは知らないわ」
といった感じだった。

もちろん、品物によって税率が変わり、食料品への税率が抑えてあったりなど、やや複雑なので覚えにくいという面はあるだろうが、5%の税率を上げる上げないで七転八倒の我が国とは随分趣きが違う。
フィンランドでは、最近さらに1%上げたらしいが、それに対する反応も、
「まあ、しょうがないんじゃない」
といったものだった。

こうした国民の反応の背景には、税の使われ方への信頼がある。
教育費は大学まで無料、医療費もごく低額でまかなわれている。
子育てへの配慮も手厚く、さらに、年金にも十分な額が支払われている状況で、国民は暮らしに概ね満足しているようだ。

歴史的な背景や国柄も違うので、なにからなにまでフィンランドのやり方を取り入れればいいというものではない。
また、フィンランドにも、テレビの特集では伝わらない、いろいろな問題もあるだろう。
それにしても、政治に対する信頼感や、税に対する成熟した接し方は、正直うらやましく見えた。
参考にできるところは、どんどん採り入れていきたいものである。
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コメント 1

葦立 茂蔵

フィンランドというと、映画「かもめ食堂」を思い出します。
お店を覗きにくる地元のおばさんたちは、税率をあまり気にしてなかったんですね。

小林聡美の店主曰く「ガッチャマンの歌を歌える人に悪い人はいない。」という台詞を覚えています。
by 葦立 茂蔵 (2012-04-28 11:39) 

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