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プレッシャーという得体の知れないもの ~内村がつかまった何か~ [ヨモヤ]

世界の頂点を決めようというオリンピックに「絶対」などあるはずはないが、開幕前、体操の内村だけは鉄板だろうと多くの人が思っていた。
団体はひょっとしたら中国にやられるかもしれないが、個人総合は当然として、種目別でも3つや4つのメダルは行くのではないか、などと予想されていた。
しかし、大会が始まったら、今までとは全く別人の内村がいる。

内村は、かねてから
「プレッシャーなんて感じたことがない」
と言っていた。
若いが数々の修羅場を潜り抜けてきたなかで、重圧を感じたことがなかったというのである。
それは、自分に言い聞かす意味もあったかも知れないが、素直な本音でもあっただろう。
普通にやって、普通に演技をすれば、結果がついてきた。

しかし、オリンピックは、他の大会とは全く違う。
選手にとっては、まさに人生をかけた場であり、注目度も世界選手権とはケタが違う。
そこで、内村は普通の人間と同じように、
「ここじゃ、失敗できないな」
と思ったのだろうか。

プレッシャーを感じたことがない、ということが、逆に出てしまったように見える。
この大会の前に、今回のような状況を経験できていれば、結果は違っていたかも知れない。

プレッシャーとは、上手に付き合っていくしかない。
それを感じたから、必ずしもダメというわけではない。
むしろ感じて当然だし、痛いほど感じて、どうにも逃げ場がなくなって、そこから頭をもたげた方がいいような気がする。

もちろん、内村にはまだ個人総合がある。
一層ガチガチになって、自分を見失って、そして真の強さに気づく内村が見たい。
たとえ、そこで金メダルが取れたとしても、ほろ苦いオリンピックであることには変わりはないだろうが。
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