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国の借金が1000兆円を超えても別になんともなかった [公会計]

二、三十年くらい前に書かれた国家財政に関する記述を読むとなんだかおかしい。
例えば、こんなことが書いてあったりするからだ。
「このままでは、国の借金が500兆円をも超えて膨らんでしまうかも知れない。GDPの規模を超える借金を抱えてしまったら、国家財政は破綻してしまうだろう」
「国の借金が1000兆円を超えるようなことがあれば、金利は高騰し、ハイパーインフレに見舞われ、経済は崩壊してしまうだろう」
みたいな。

書かれた当時は、多くの人が本気でそう思っていた。
借金の総額がGDPを超えるなんてありえない、
借金の総額が1000兆円を超えたら、もう取り返しがつかない。
今読むと取り越し苦労のようではあるが、その頃の常識ではそう考えて当然である。

財務省の発表によれば、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」の残高が6月末時点で1053兆4676億円になったとのことである。
この二十年ほど、国の借金は減ったり増えたりではなく、ひたすら増え続けている。
あり得ない話として語られた最悪の現実が生まれている。

今後も借金が増えることは確実だ。
消費税の引き上げを先送りし、
社会保障の抜本改革はほとんど手つかず、
というなかで経済対策を積み増していく、
といった状況では、来年も再来年も、借金の額は積み上がるだろう。

しかし、想定されたような悲惨な世界は訪れていない。
金利は上がらないどころかほとんどゼロだし、
インフレどころかずっとデフレに苦しんでいる。

こんなことがいつまでも続くわけがない、とほとんどの人が思っている。
常識的に考えたらそうだろう。
「日本は破綻する」
と予想する人も多い。
借金の額だけを見ると、ギリシャよりはるかに悪いのだから、そう考える方がむしろ自然である。
だが、借金の額が、500兆円を超えても、1000兆円を超えてもなんともなかったのだから、1500兆円を超えても、2000兆円を超えても、同じように何も起こらないのかも知れない。
何が起こるのか、きっと、誰にもわからない。

ただ、事実から言えることは、
「借金の額がGDPの倍になっても、別に何も起こらなかった」
ということであり、
「借金の額が1000兆円を超えても、金利はマイナスである」
ということである。
だから安心していいとはならないが、これが現実に起こったことである。
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