SSブログ

保毛尾田保毛男論争に思う [ヨモヤ]

とんねるずのことを初めて見たのは、「お笑いスター誕生」というオーディション番組だった。
初めから勢いのあるコンビであり、彼らはすぐに人気者になった。
「それは言わないことになっている」という線を、どやどやと踏み越えてくる感じが危険な空気を漂わせ、そこが若者に支持されていた気がする。
彼らが出ていた『オールナイトフジ』は、恥ずかしながら毎週欠かさず見ていた。
とんねるずのキャラクターがはまっていた。
その後、別にとんねるずが嫌いになったわけではないが、『とんねるずのみなさんのおかげです』は、まったく見なかった。
だから、保毛尾田保毛男というキャラクターについてもほとんど知らない。

話は変わるが、先日、
「ボクの彼氏はどこにいる?」
という本を読んだ。
同性愛者であることに戸惑い、悩んでいた少年が、同じ境遇の仲間と出会うことによって励まされ、カミングアウトして前を向いて生きていく様が語られている。
著者は、石川大我さんという方で、現在豊島区議会議員をされている。

本の中で石川さんは、とんねるずの保毛尾田保毛男のコントを見て、自分がこんな風に笑われる存在であることにショックを受けた旨を書かれている。
また、本当はジャニーズを見てキャーキャー言いたいのに、カムフラージュするために、ダミーでひいきの女性タレントがいることにしていたりしたそうだ。
性的少数者として生きるのは、試練の連続だなあと感じた。
今は、石川さんの若い頃よりは多少は理解が進んでいると思うが、それでもLGBTの方が生きづらいことには変わりはないだろう。

9月28日の夜、フジテレビ系で放送された「とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念SP」に「保毛尾田保毛男(ほもおだ・ほもお)」が登場し、このことが波紋を広げている。
批判の広がりに、フジテレビの宮内社長は、
「不快な面をお持ちになった部分があれば、大変遺憾だと思うので、謝罪をしなければいけない」
とおっしゃられたそうである。

「笑い」というものには、「毒」の要素がある。
好き嫌いはあるだろうが、誰かを貶めたり、からかったりすることによって笑いが生まれる面もある。
それらを一つ一つよくないものとしてしまったら、笑いは消え、窮屈な世の中になってしまうだろう。

一方、無自覚に人を傷つけるのもよくない。
保毛尾田を放送することでどんな影響が出るのか、まったく想像もしていなかったとしたら、それは迂闊すぎる。

今回の件については、いろいろな意見があるようだ。
徹底的に批判すべき、という人もおられれば、
単に懐かしかった、という人もおられる。
人を傷つける笑いは許されない、という人もおられれば、
オネエキャラは嫌というほどテレビに出ているわけだし、そんなに目くじら立てなくても、という方もおられる。

個人的には、もともと見ていなかったので懐かしさもないし、それほど面白いとも思わないので、あえてやることもなかったように思う。
しかし、とんねるずのお二人は、あれをやりたかったのだろう。
いくつになっても振り切りたいのだろう。
それもわかる。

傷ついた方も多いのだと思うが、糾弾のような形にならないことを祈りたい。
放送された側の方は、思いをはせてみてほしい。
いい方向に進めばいいと願う。
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。