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きっと何かが見つかる 「第四回ところざわ学生映画祭」  ~11月25日 西武所沢店8階ワルツホールにて ~ [映画評]

この頃私が観る映画は、ほとんど日本映画である。

多くの日本映画は、
低予算で作られていて、
似たような企画、似たような展開にあふれていて、
特定の役者さんに仕事が集中している。
つづめて言えば、日本映画はハズレが多い、ということになる。
それがわかっていても、私は日本映画が観たい。

根本的には、単純に日本映画が好きだからではあるが、
それに加えて、
同じ時代に生きている日本人が、どんな感性でどんなことを伝えたいと思っているのか、
同じ時代にどんな才能が出てくるのか、
それを感じたいと思うからである。
そこに立ち会いたいと願うからである。
確率は低いが、
「カメラを止めるな!」
「この世界の片隅に」
「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
といった映画に巡り会うこともある。
出会えたときの喜びは、何ものにも代えがたい。

そしてもう一つ、私が日本映画を多く観るようになった理由が、「ところざわ学生映画祭」である。
学生の作る映画は、
独りよがりであることが多く、
性急で、
失礼ながら、稚拙な作品も少なくない。
お金を取って広く展開するのには無理があると思える映画がほとんどである。
しかしその一方で、
「何かを伝えたい」
「何かをしでかしたい」
「こいつでどうだ」
という熱量を感じる。

これを受け止めるためには、こちらにもトレーニングがいる。
受け止めて、押し返すために、基礎体力を高める必要を感じる。
そのトレーニングには、映画を観ることが一番だが、
世界展開を視野に入れて、金をかけ、時間をかけ、練りに練った末に出来上がるハリウッド作品はそれには適さない。
厳しい状況の中、一発逆転を狙って作られる日本映画の方が、トレーニングにはふさわしい。

「ところざわ学生映画祭」は、今年で4回目を迎える。
今回は、コンペティション方式ではなく、実行委員会が「見せたい」と思う映画を上映する形式のようだ。
そのため、作品の長さに大きな差がある。
ジャンルもバラエティに富んでいる。
どんな出会いがあるのか、とても楽しみである。

そしてこの映画祭は、自分のトレーニングの成果を試す場でもある。
学生たちのフルスイングをしっかり受け止めたい。

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